2010年05月11日

進化の存在証明

リチャード・ドーキンス著
早川書房 2800円(税別)
初版: 2009年11月

 

 
2009年がダーウィン生誕200周年、「種の起源」刊行150周年ということだったので、記念で出版された本です。この本は「進化論は本当だ」ということをこの大著を通じて訴えている本です。それでは進化論を信じている人には無価値なのかというと、日本でも多くの人は「進化」を誤解しているので正しい「進化論」を知るためには良い一冊となります。


ミッシングリンクとは何か、キツネやグッピーの実験で意外と早く進化するということや様々な動物はそれほど”インテリジェント”でない設計をされているということが述べられています。


ミッシングリンクというのは例えば、サルと人間の中間の種は何かということですが、これは人間がサルから進化したということでなくて、サルと人間の両者の祖先からそれぞれが進化したということになります。最近、ドイツで見つかった”イーダ”と言われる化石が今のところ一番のものとみなされているようです。


また、グッピーについては、捕食者がいるグッピーを、捕食者がいないところに離してずっと放置しておいたら、グッピーが鮮やかな色になったということがあります。これは捕食者がいないことで、グッピーが捕食されることよりも、異性に選択されることで(配偶者=遺伝子が)選択されるようになったためです。


それほど”インテリジェント”でないというのは、いろいろな動物の様々なところでありますが、どこかで言われていたように、進化というのは「時速60キロ以下になると爆発するバスを走らせながらエンジンを作りなおさないといけない」ために、ゼロベースで作り直すことができないということを意味します。


ドーキンスの本やダーウィンの本を読んでいると内容も面白いのですが、例として出てくる動物の生態や実験が非常に興味深く、ぐんぐん引き込まれる一冊でした。

 
 
ちなみに未読の方には種の起源もオススメです。”渾身の一冊”というのがどれだけの本なのか分かると思います。
 

posted by 山崎 真司 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2010年03月03日

軌道エレベータ

石原藤夫・金子隆一著
早川NF文庫 640円(税別)
初版: 2009年7月(単行本は裳華房より1997年に出版)

 

 

軌道エレベータについての概説書でもあると共に技術書です。軌道エレベータの起源だけでなく、必要な材料、建造方法が述べられています。
 
もちろん、これらは現実的なものです。もちろん、今すぐに軌道エレベータが作れるわけではありませんが、それでも材料についても未知のものでなく、もうすぐ作れそうだったり、何千kmは作れずとも何cmは作れるものだったりします。また、作成方法は、(材料のため)小惑星を捕まえるといった必要はありますが、まったく不可能と言うわけではありません。


また、静止軌道を使った軌道エレベータだけでなく、非静止軌道を使用した軌道エレベータについても述べられています。


いかにも早川ノンフィクションらしい良書でした。ライトな技術書ですが、同時にストーリーがないガチンコのSFとも言えます。現実とSFをつなぐ橋といったところでしょうか?サブタイトルが”宇宙へ架ける橋”となっていますが、まさに橋といった本です。

posted by 山崎 真司 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2010年01月04日

2009年ベスト10

1.フリー クリス・アンダーソン

自称、ビジネス書読みなので、一応ビジネス書をあげておきます:-)
テクノロジーの進化によって、できるようになったフリー(無料)を軸にしたマーケティングやビジネスモデルを様々語っています。


2.歴史はべき乗則で動く マーク・ブキャナン

変なサイズに変わったが、相変わらず面白い早川NFに入っています。複雑系(?)を使って歴史の構造を述べています。昨年読んだ「まぐれ」と同様に、歴史認識が変わる良著でした。


3.磁力と重力の発見 山本義隆

全3巻と若干ボリュームはありますが、古代から近代までの磁力と重力の認識史といった本です。これは科学史でもあり思想史でもあります。これを読むと科学と思想が、相互に関係していることがよくわかります。非常に刺激的な本でした。


4.種の起源 チャールズ・ダーウィン

岩波文庫版で読みました。読みづらい部分もあり、時代を考慮しながら読まないといけません。そして、結論部分はすでに既知ですが、それでもこの本は素晴らしかったです。この本、一冊にかけるダーウィンのパワーというのが非常に感じられる本です。一冊に10年以上かかる本というのはそれだけのものがあると感じられました。今の多くの著者は猛省すべきと思いました。いや、ダーウィンがすごいというべきでしょうか。


5.言語を生み出す本能 スティーブン・ピンカー

ピンカーが、人間の言語というのは生得的なものであるということを述べたものです。また、サピア・ウォーフ仮説という「言語が思考を規定する」を批判しています。これは、ウォーフが述べているホピ族の話などを批判しています。
進化心理学的解釈には、論証がないといって批判されることもあるようですが、この本は多くの本で参照されている本であり一読の価値があると思います。


6.服従の心理

ネットワーク理論の元となる”スモールワールド実験”などでも知られる心理学者のスンタレー・ミルグラムが行った、通称”アイヒマン実験”についての報告です。
ミルグラムは入念かつ奇抜な実験計画を行うことで、人間の心理を暴くというタイプの心理学者だと思いますが。この服従の心理は、見事な実験計画によって、”服従”というものが人間にどういった影響があるのかを明らかにしています。
これぞ科学といった見事な心理実験が、綿密に書かれた良著と思いました。
 


7.単純な脳、複雑な私

今をときめく脳科学者の池谷さんの本です。講談社ブルーバックスにもある、”進化しすぎた脳”の続編です。”進化しすぎた脳”を事前に読む必要はありませんが、読んでからの方がより楽しめます。
最近、脳科学という言葉が濫用されており、胡散臭い本も多いですが、この本は科学の範囲内できっちりと”今の”脳科学をやさしく説明しています。

 
8.ブラックスワン
”まぐれ”で知られるナシーム・タレブの本で、大枠は”まぐれ”と同じような主張となります。偶然というものをいっしょくたに捉えることなく、個別に考える、また帰納の問題について考えさせられる非常に刺激的な一冊でした。


9.生命とは何か?

物理学者として有名なエルヴィン・シュレディンガーが、生命について述べた、分子生物学の先鞭つけた講演録となります。生命をエントロピーという観点と、不確定性原理の2つの視点から述べています。
本当に優れた科学者というのは、どんなものを対象にしても鋭い洞察をするということを思い知らされました。

雑リンク
http://med-legend.com/mt/archives/2005/07/post_607.html


10.カリスマ入門

「カリスマは生まれつくものでなく、獲得できるスキルである」
ビジネス書というのは、既存にあるそれっぽいものを理論化(カテゴリ分け)して分かりやすくすることで成り立っています。もちろん、このような理論化はいくらでも出来るわけではありませんし、有用な理論化と役に立たない理論化があります。
このカリスマ入門は、ビジネス書でなくカリスマを理論化した本であり、ビジネス書として読むならばどのように理論化を行えばいいのかの好例です^^;;;;
これを読むと、芸能人の発言が楽しめるようになります。


この他に、福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」とキース・デブリン「数学で犯罪を解決する」が選外でした。

「生物と無生物のあいだ」は本当に”読ませる”本でしたし、起承転結があるノンフィクションということで、むしろ小説的なノンフィクションで非常に面白かったです。選外の理由は、小説的だからという理由です。


「数学で犯罪を解決する」はNumb3rsというドラマの解説本といったもので、スティーブン・レヴィットの”ヤバい経済学”や”その数学が戦略を決める”が好きな方にはオススメです。また、ドラマのNumb3rsも数学や応用物理好きにはオススメの一本です。

posted by 山崎 真司 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年12月23日

動物行動学・再考

マリアン・ドーキンス著
平凡社 2270円(税別)
初版: 1989年5月

 

 
動物行動学者のマリアン・ドーキンスが動物行動学について述べた本です。原題は”Unravelling animal behaviour”です。”動物の行動を解き明かす”といったところでしょうか。古い本なので、現在とは違う部分がいろいろあると思います。


動物の行動が、遺伝によるものか、学習によるものかといったことや、性というのは何故できたのか、ESS(進化的に安定な戦略)等について述べられています。詳細については現在はより詳細が分かっていることや間違っていたことがわかったものもあるかと思いますが。


 

ポイントとしては、遺伝の結果を確定的にみないといったこと、つまり学習しやすくなるといった遺伝もあること。
 
孔雀のような、生きるのに不利な形質を持つものが何故進化するかというのは、子供の雌雄それぞれに、派手な羽を持つことと派手な羽を持つものを好きなものという形質を両親からそれぞれ受け継ぐことになるという仮説について。
 
性の分離として、胚によりエネルギーがあるから生き残りやすいもの(雌)とより少ないエネルギーを使いそこにある意味寄生する(雄)に別れていくという仮説といったことがあります。
posted by 山崎 真司 at 22:09| Comment(4) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年11月29日

脳はいかに美を感じるか

セミール・ゼキ著
日本経済新聞社 3500円
初版: 2002年2月

 


著者はロンドンの神経生物学者(今風には脳科学者)で、視覚と脳の研究では第一人者だそうです。この本は海外では1999年に出たもので、その点では最新のものではありません。

内容は、タイトルの通りで、美術の解釈を脳がいかに行っているかというのを述べたものです。絵ひとつをとっても、解釈するためには、見て、感じて、考える、といった要素が必要になってきますが、この本では見る、感じるといったことがどのように行われているかを、脳のモジュールの機能を解説しながら述べています。


人間の目の解像度などを考えると、見るというのは能動的な行動であるというのはいえますが、実際にどのような順でどのように行っているのでしょうか?この本では、V1〜V5という視覚野によって、それぞれ”見ること”、”動いているものを見ること”、”色の把握”などが別々のモジュールであることが述べられています。

また、直線に反応する神経や、その直線も斜めの線や水平の線に反応する神経があるといったことが述べられます。


この本は認知心理学でもコンピュータサイエンスの本でもありませんが、実際に読んでいると絵を見ることを通して、人間はどのように見るのかということを考えさせられるものです。たとえば、印象派のピサロやルノワールなどのエッジが点描になっていて曖昧な絵を見ながら人間は対象をどのように区別するのか、モネのチャリングクロス橋やルーアン大聖堂のように対象がほとんど埋もれたようなコントラストのものをどのように認識するか、これらは無意識でやっていますが、たとえばコンピュータにやらせようとすると至難です。

これはいったいどのように行っているのでしょうか?また、このような曖昧に絵を描くことが美とどのようにかかわるのでしょうか?残念ながら本には答えはありませんが、このような曖昧さは、脳には直線を感じる神経があることから、美を感じることに関係がありそうなことについては言えそうです。


また、絵を解釈する時もたとえば、マグリットの絵の不自然さ(←これはこの本でも解析できていない)やピカソのキュービズム的な絵はどのような理解をしているのか(高次の解釈でなく、視覚野というレベルで)といったことや、モダンアートやキネティックアートが特定の視覚野にのみ訴えるミニマリズム的なアートであるということが脳の機能から述べることもできます。


他の方の書評を読んで:

 
http://summerycolors.blog64.fc2.com/blog-entry-170.html

けれども、この受信情報から、どう感じるかにいたるところはまだわかっていません。
それでも、私は全く理解ができずにいた芸術について、受信情報の点からヒントをもらうことができたのがおもしろかったです。


この本を読んだきっかけが某所の読書会の課題本だったということもあるので、ある意味戦友の方のブログです。
 
この感想はまったくおなじで、この本は答えを述べているのでなく一緒に考えさせられるという本です。また、芸術の見方というのは、たくさん見ることである時から”見える”ようになると思っているのですが、どのように行われているかが少しだけ理解することができました。ほんの少しですが。


http://norikoosum.exblog.jp/9279231/


さて、本書第4章で、ゼキ博士はフェルメールの絵画の持つ不思議な「心理学的な力」に着目している。『ヴァージナルの前に立つ女性』『楽譜を持つ紳士と少女』『音楽のレッスン』など、鑑賞者は誰かの部屋を覗き見しているような感覚に陥る。題材自体は、レンブラントなどにも扱われた日常生活であり、フェルメール独自のものではない。にもかかわらず、「心理的な力」があったからこそ、フェルメールの絵画は「人を惹きつけ、人の感情をかきたてる」とゼキ博士は考える。

では、そのような「心理的な力」とはどのようにして生まれているのか? ゼキ博士はその答えを、「曖昧さから生まれる恒常性」に求めている。『音楽のレッスン』には、ヴァージナルを弾いているらしい後ろ姿の女性の横に、男性がたたずんでいる。「この二人の間に何らかの関係があることは否定できない。しかしながら、男性は女性の夫なのか恋人なのか求婚者なのか友人なのか」、その二人の間でどんな会話が交わされているのか、鑑賞者の心にさまざまな可能性が浮かぶ。つまり、「フェルメールの作品には、脳の中に蓄積されている過去の出来事の記憶の中から多くのものを呼び起こす力が含まれている」のである。
 
個人的にフェルメールは奇麗だがレンブラントやターナーと同様であり、そこから突き抜けてはいないと思っていましたが、読書会で話している時に上で書かれているような曖昧さや”人を描いている”点や”さまざまな謎”がフェルメールの魅力を支えているという指摘を受けました。
そして、このような曖昧さは、いったい美にとってどのような意味があるのか、ということを考えさせられました。残念ながら、曖昧さが関係しているということ以上のことは分かりませんが。
 
http://octacore.egoism.jp/blog/2005/02/post_69.html

というようなことを考えて初めて、作品や作家に賦与された意味や意図と無関係な一般化可能な「脳の機能」の話に辿り着くのである。しかし、ゼキの論にはこういったお話は出てこない。全く飛ばされている。これはゼキが全くの鑑賞者であり、神経学者であるから、つい一般化可能な「脳の機能」のお話を優先して考えてしまうということに起因するのだろう。なぜなら神経学者であるところのゼキにすれば、視覚刺激としての作品が一般化可能な「脳の機能」を刺激して初めて意味や意図のお話に移行するという順序であることは生物の構造上、自明であるのかもしれないから、必ずしも手落ちとも言えない。


しかし、この本、実は「美をいかに感じるか」ということについては語っていない気もしないでもない。なぜなら、書かれていることといえば「モンドリアンの絵は色選択細胞を活性化させる」といったことである。これが感じるということなのかというと大きな疑問である。ただし、このツッコミも無効であるような気がする。なぜならこの本の原題は「INNER VISION: An Exploration of Art and the Brain」であり直訳すれば「内部のビジョン: 芸術の探究と脳」であり、「脳は美をいかに感じるか」という邦題はちょっとニュアンスが違う気がするからだ。
 
非常に面白い書評でした。個人的には、ゼキと同様に、テーマや意味というのは作者か作品か解釈者かどこにあるのか、といったことは、視覚よりもより高次の機能であるため、もっと先の話であり前提ではない、と思いますが。
それでもやはり、このような意図やテーマのような高次の解釈と視覚のような低次の解釈の間に説明の隙間が大きくあり、その点は語られていません。ゼキは科学者らしく、よく分からないことについては沈黙を守るという立場を守っているということでしょう。
 
このことがこの本の価値を高めていると思うのは、脳科学者と称する一群を見飽きたせいなのかもしれません。
posted by 山崎 真司 at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年11月22日

宇宙エレベータ

アリニール・セルカン著
大和書房 2000円(税別)
初版: 2006年6月

 

 
 
あちこちで噂のアリニール・セルカンの本です。著者のセルカン氏は非常に有名な方で、建築学科を卒業後、プリンストン大学の数学部講師などを経て、30歳でエール大学の客員教授になるなどのすごい経歴(自称)の方です。
知人から、セルカン疑惑を知っている上で”いらないからあげる”と言ってもらったわけですが...


内容は宇宙エレベータの話、タイムマシンを作る話(ただし、1秒だけ)、次元の話、スピリチュアルな話といった内容です。著者は建築学者であり、物理学者といった触れ込みですが、著者の経歴や宇宙エレベータの話の後に、タイムマシンで過去に戻れといった話。

それから、より高い次元を理解することで、それによって新しい次元のエネルギーを使うことができるといった話、そしてシュメールの石版やピラミッドなどににはヒミツがあるという話に展開していきます。


超展開すぎてワロタ的な本になっています。どうしてこんなトンデモ本(読めば一瞬で胡散臭い)の著者が本を何冊も出しているのかが謎でした。


結局、セルカンの本の出版が続いたのは、著者の(本物だったとして)プロフィールがポイントなんでしょうか。内容でなく、著者のプロフィールが重視されるというのはよくある話(特にスピリチュアルや疑似科学関連などでよく行われる(論証しない)パターン)ですね...

 
こういう本を書かれると、「ある科学者が書いていたけど..」と胡散臭い主張の論拠に使われるので是非とも止めて欲しいんですが..
posted by 山崎 真司 at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年11月16日

科学革命の構造

トーマス・クーン著
みすず書房 2600円(税別)
初版: 1971年3月

 


 

パラダイムというと、ジョエル・バーカーの”パラダイムの魔力”が思い出されます。私が初めて読んだビジネス書で、しかも初めてカブった(既に買ったのに2冊目買った)ビジネス書でもあります。
 

 
この”科学革命の構造”はパラダイムというものを初めて提唱したもので、パラダイムというのをある科学者集団の中の思考のフレームワークとして定義しています。このパラダイムという言葉を軸に、研究の進歩が斬新的なものと革命的なものがあることや、科学の進歩について述べています。


この本を読んでいると、科学革命ともいえるような事象の前には臨界点に達した状態にあることが述べられています。このことは漠然と分かっていましたが、この本では納得のいくストーリーとして語られています。

ちなみに、この本について友人たちと話していた際に研究者集団というのは分野によって様々で、この本から受ける印象が違ったのが興味深かったです。


なお、あちこちで書かれていることですが、この本は研究に入る前の学部生にこそ読んで欲しい一冊と思いました。

posted by 山崎 真司 at 22:14| Comment(1) | TrackBack(0) | その他、一般

Globes 地球儀の世界

高井ジロル著
ダイアモンド社 1800円(税別)
初版: 2009年3月

 


眺めているだけで地球儀が欲しくなる一冊です。ダイアモンド社は良質なビジネス書を多数出してますが、このような素敵な本を出版しているんですね。改めて、見直しました。

この本は全頁カラーの地球儀のガイドブックです。現在、販売されてる地球儀を中心に(というかほとんどが現在売ってるもの)様々な地球儀を解説したガイドブックです。
電磁石で浮くステラノバのマグネティックフロートやおいてあるだけで美しい渡辺教具製作所のスカイテラなど見ているだけで欲しくなる地球儀が満載です。


ちなみにアトモスフィアのキャピタルQが欲しくなりました..

posted by 山崎 真司 at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年09月19日

道具にヒミツあり

小関智弘著
岩波ジュニア新書 780円(税別)
初版: 2007年12月

 


51年の旋盤工生活を持つという異色な経歴を持つ小関氏がボールペンの先、ギターの木、高性能なメガネ拭き、消しゴムなど様々な製品について、その背景にある技術を概説しています。 専門の本というわけではないので、様々な製品について、どのような技術があるかということを軽く述べているだけです。


青函トンネルでは10m近いファスナーが使われいる(漏水対策で、水を抜けるように)とか、職人なしで立体のモデルを作る装置など興味深いものがありました。


ジュニア新書ということで小中学生向きだと思いますが、著者と各メーカー(工場)のものづくりにかける思いが伝わってくる一冊でした。

posted by 山崎 真司 at 10:42| Comment(2) | TrackBack(0) | その他、一般

2009年08月16日

エモーショナル・デザイン

ドナルド・ノーマン著
新曜社 2900円(税別)
初版: 2004/10

 

 


ノーマンというと”誰のためのデザイン?”のように製品のデザインを機能から語った本が多く、ユニバーサルデザインといった視点から読まれますが。この本はこれまでの著書から一転して、製品の情緒的側面について語ったものです。
この背景には、認知というものは感情と互いに強い影響を受けていることが分かってきていることがあるでしょう。


本書の主張ではモノを本能レベル、行動レベル、内省レベルと分けて考えます。
本能レベルを美的センス、行動レベルを機能性や使いやすさ、内省レベルをモノのもたらす満足感とみなすと適切でしょうか。

パッと見てよく、使いやすく、満足感がある、というモノはいろいろありますが、この中で難しいものはやはり内省レベルでしょう。
考えてみると、内省レベルまで達するには、卓越した本能レベル、卓越した機能レベル、もしくは作者やメーカーのブランドストーリーといったものが必要です。


読んでいて改めて思ったのは、機能レベルの設計が出来ていないモノの多さでしょうか。自分がIT業界にいるせいか特にソフトは酷くて、一度も使ったことないのではないかといったデザインが非常に多いです。
残念ながら、この本ではどのように本能レベル、行動レベル、内省レベルを満たすデザインを行うかということが具体的に書かれてはいませんが、本能レベルや行動レベルのデザインについては(あるレベルの)デザイナーと試行錯誤で手にいれることができると思います。

 
後半では感情というものがロボットに必要ということが書いてありますが、これは深いレベルまでの探索(思考)を行わないような特権モード(右脳的思考に相当?)や割り込みモード(集中力の散漫さ)を持っていないといけないといったことと解釈しました。ただし、この本にとってロボットの話は蛇足だと思いました。
 
posted by 山崎 真司 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般