2008年11月25日

人間この信じやすきもの

トーマス・ギロビッチ著
新曜社 2900円(税別)
初版: 1993年6月(原著は1991年)


いくつか行動経済学の本を読んだ際に、認知バイアスについて読んでいたのですが、この本もまさにそのような認知バイアスについて書かれた本です。いや、実際には認知バイアスも含めて、どうして誤ったことを信じてしまうのかということが述べられてます。


ちなみに、誤信の理由としては
1.平均への回帰(絶好調のあとは下がる、絶不調のあとは上がる)
2.実際の確率と、直感的な確率の判断と乖離(バースデーパラドックスなど)
3.玉虫色の解釈(予言などである、後付理論オッケーな表現)
4.片側の結果のみ覚える
5.自分の意見を補うものは好意的に、反するのものは批判的に(合理的に)見る
6.人間は一様に努力している、すると「成功は努力のおかげ、失敗は他の原因」になりやすい
7.脚色が行われる。面白く伝えないといけないという暗黙のプレッシャーがある
8.信頼区間の無視(100万人中100〜30000人という場合には、メディアでは「最大で30000人!」といって、伝言ゲーム中に”最大”が消える)

といったことがあります。


ちなみに対策としては
1.逆の場合を考える(実際にはA→Bの時に、AとnotA、BとnotBの4つのパターンを考える)
2.統計的に考える

といったことでしょうか。また、(できる場合は)確率を実際に計算するというのもかなり有効だと思います。
 


他人の書評を読んで:
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080819/p2

このテキストのポイントは、「人間は合理性を求めるがゆえに、異形のジグソーピースであっても無理矢理はめ込む」ことである。つまり、“知識”という名の世界地図に余白があればあるほど、違う形のジグソーピースが紛れ込む可能性が高くなる
 
理由を求めてしまう性(さが)、ですよね。まぐれでも書かれてますが、人間は何かに理由を求めすぎな気がしてます。


http://jyunshi.jugem.jp/?eid=325

・「確率は?」(偶然にすぎないのでは? 平均への回帰効果は?)誕生日問題、偏って起こることはよくある
 

実際に仕事などでも、確率を実際に計算するとかなり直感と違う印象があります。
また、平均への回帰効果についてはかなり見すごしてしまいます。企業の業績にしろ、スポーツ選手の成績にしろ、かなりよく見られます


http://plaza.rakuten.co.jp/sebook/diary/200804170000/

人間の判断や推理をゆがめるもの・・・
それは私たちの認知的な原因による。
私たちの認知的推論装置が持つ欠陥の多くは、情報量が豊富な理想的な状況では現れない。

 

人間の直感的確率判断は情報量が十分に少ない場合には上手く動作するのですが、より情報が多くある場合は直感的な判断が上手くいかないのできちんと計算する必要があると考えてます。
最近は手元にExcelなどがあることが多いので、簡単に計算できそうですし。

 
 
posted by 山崎 真司 at 21:47| Comment(1) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年09月19日

知りたいことは「面」に聞け!

西村行功著
日本経済新聞出版社 1600円(税別)
初版: 2008年4月

ビジネス書を中心といいながら、最近さっぱりビジネス書を読んでませんでした。というわけで、この本はきっぱりとしたビジネス書です。
しかも、まるまる一冊で一つの概念と、その使い方を説明しています。その概念というのは、面グラフというもので、このURLのグラフを見てもらえるとなんとなく分かると思います。


ポートフォリオマップやSWOT分析のようなツールはよく使うかもしれませんが、この面グラフはそれ以上に応用範囲が広く、かつ使いやすいツールです。わざわざ1冊かけて、面グラフの使い方を述べていますが、だんだんと面グラフの書き方というよりも分析手法の話になっています。

この著者の本は他に何冊か読んだことがあったのですが、こういう背景があったのですか...出来ればこの本を先に出して欲しかったです。シナリオプランニングよりも、よっぽど役に立つ、即効性のあるツールでした。


他人の書評を読んで:

http://ameblo.jp/strategyconsultant/entry-10089579338.html
 
どんな分析でも、そこから生まれる主張が明らかでないと意味がないんだ。

引用の引用なんですが...分析よりも、表現でしょうか...
この本は、面グラフというグラフの書き方を説明していますが、実際には面グラフを書くことを目的として、どう分析するかという本です。


http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/51525346.html

 
2つの変数の置き方で、表現される面積も大きく変わってくることから、数値データの中に埋もれている見えにくいメッセージを探す発想・分析手法としても使えるのが面白いところ。
 
ということになります。実は、私のページよりも、こちらの方のページをみて、グラフ部分をよくみてください。これで面グラフの半分は理解したと思います。あとは、どういう時に使うかをしっかり考えるだけでもいいかもしれません。
 
 
posted by 山崎 真司 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年07月05日

法人税入門の入門 平成20年版

辻 敢・齋藤 幸司著
税務研究会出版局 1600円(税別)
初版: 2008年5月(ただし、元々は昭和61年1月)

 
以前、兄貴からサラリーマンをするには会計知識が多少は必要ということを言われました。
会社の目的をフリーキャッシュフローを増やすことと仮定すると、会計知識はスコアの見方ということになるでしょうか。例えて言うなら、「会計知識がないと、スコアを見ないでサッカーをやるようなもの」といったところでしょうか?


この本はその名の通り、法人税の入門の入門といったところでしょうか?私がこれまで読んだ本では、法人税についてはほとんど述べられていなかったのでちょうどいいです。

 
こんなあたりが知らなかったことです。
繰延資産・・・支出の効果が1年以上に及ぶもののうち、固定資産の取得価額とならないもの。要は固定資産ではないけど、固定資産的な効果があるもの。例えば商店街のアーケードや事務所を借りる権利金など。
圧縮記帳・・・買い替えを行う時に、取得時の資産額と売却額が違う時に、一時的に圧縮損で記帳して、後に減価償却を行います。
貸倒引当金・・・税法上は引き当てられないと何故か思い込んでいのたですが、可能なんですね...知りませんでした。
欠損金の繰越控除・・・欠損金はその後7年の所得金額で通算すること。これは単年度の大黒字があったとしても、他が赤字ならば法人税は均して計算されるということです。


ううむ、読みやすい本なので、ちょろんと読むだけでもいろいろ分かるものなんですね。もっと早く読めばよかったと思いました。


http://yoha.blog.drecom.jp/archive/438

入門ではなく、入門の入門。本当にわかりやすく重要なことが書いてあります。税務の勉強をする人には簡単すぎる内容でしょうが、経理をやっていてスキルアップを密かに狙っている方や、「将来起業しちゃう?」な方や、知識として法人が納める税金のことを知りたい方にオススメです。
 
中小企業やまた大企業が経営判断を行う時に、法人税を考慮するといったことは一般的に行われていると思います。知識として法人が納める税金のことを知るのは、仕事の上でも投資などの上でもプラスになるんじゃないかな、と思います。
 
posted by 山崎 真司 at 06:06| Comment(2) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年05月18日

コーポレートファイナンスがよ〜くわかる本

岸本義之・松田千恵子著
秀和システム 1600円(税別)
初版: 2007年8月

無借金経営というのは良い経営なんでしょうか?それとも、借金経営の方がいいのでしょうか?


この本は、株式会社の経営において、配当に回す金額はいくらが適切でしょうか?こんな疑問があって読んでみました。

タイトルの”コーポレートファイナンス”には投資判断も範囲に含むと捉えていて、NPV(純現在価値)やDCF(割引キャッシュフロー)による投資判断をキチンとしましょう、ということや、負債の扱いや株式市場の基礎の基礎について述べています。
ちなみにNPVでの投資判断ですが、ある投資に対するリターンが正確に量るのは無理なので、この本にあるような科学的なイメージではないと思います。
そして、私にとってこの本の中心は負債の活用です。有利子負債があることで、株のROE(1株)あたりの利益を増やすことができます。
要は、1万円のお金があったとしてそれを元手にお金を作る能力が、借金する際の利子金額よりも高ければ、負債は多いほうがいいということ。もちろん、優良企業では、このお金を作る能力が、利子金額よりも高い(もし利子金額よりも低いならば、株主は株を買うより銀行に預けるほうがいい=会社の意味がない)ということになります。
また、負債があれば節税効果もあります。実際に、法人税を納めているのは国内では、大企業で1/2、中小企業では1/3だそうです。
こうやって考えると、実は無借金経営がいいと無批判的に思っていたのですが、借金経営の方がいろいろと利があるということですね。
もちろん、あまりに有利子負債が多いと、人はマイナス判断をしますので、実際には多ければいいというわけではないのですが。


他人の感想を読んで:

軽くググっただけでは、他の方の書評が見つかりませんでした。


 

posted by 山崎 真司 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年05月14日

決定で儲かる会社をつくりなさい

小山昇著
河出書房 1300円(税別)
初版: 2007年1月

”決定”で儲かる会社を作ることは可能でしょうか?答えは明確だと思います。
サッカー日本代表も決定力不足に悩まされていますが、会社でも決定力不足に悩まされているのではないでしょうか?


この本は、株式会社武蔵野の社長であり、その筋(?)では有名な小山氏の本です。サブタイトルには”落ちこぼれ企業が「勝ち続ける」ために−”とあります。正直、この本はタイトルやサブタイトルの付け方が秀逸です。決定力不足じゃないサッカーチームなんて世の中に存在しないですし、決定を十分に回している会社もきっとないでしょう。


会社の運営での各種のポイント(銀行対策とか、人事をどうするかとか)が書かれていますが、「正直、これらが出来たところでどうなるのかな」というのが感想です。これらについては、小山氏の天才性のゆえにできるもので、誰にでも真似できるような類のものではないのではないか、と思いました。

ただ、一冊の本を読むことで、小山思想とでも言うべきものの一端に触れることができたということは良かったかな、と思います。
すぐに読めるし、個々の内容は妥当性が高いと思えることばかりですので、一読の価値はあるのかな、と思いました。ただし、タイトル通りの本ではないし、この本にはそのまま適用できるような内容のものはあまり多くないな、と思いました。
ちなみに読んでいて衝撃を受けたのは
優秀な人がいると、人に仕事がついてしまう。これは他の人ではできない仕事ということです。人に仕事をつけるのでなく、(誰にでもできるようにした)仕事に人をつけるということにしないといけない。
というところです。全く逆の発想でした。


他の人の感想を読んで:

http://ameblo.jp/spicysoft/entry-10048426646.html
今までのこの方の本と比べ違和感があるのは、社員や幹部の悪口が多いこと。
小山氏の著書は初めてだったので、これが標準だと思っていたのですが...たしかに、社員や幹部についての言及はちょっと目立つな、とは思いました。
このスタイルの方がリアリティがあっていいな、と思いながら読んでいたのですが。


http://www.web-smile.com/jissenkigyou/archives/001175.php

まずは、決めること。
そこから、方法を考える。


シンプルに考えて、行動したいものです。

む....私はそこまでシンプルに読み取れなかったのですが。たしかにこの本を要約するとここになりますね。OODAループやタイムループ競争戦略といったものもそうですが、”何をする”を考えるのでなく、”どうやって”にリソースを投入しましょう、という考え方の本が多いですね。ドラッカー的思考への反動なのでしょうか?


http://kaikei.livedoor.biz/archives/50901981.html

 わたしは、大企業の社長が書いた経営書や、
 上場企業向けのコンサルタントが書いた本を原則は読みません。
 そういう意味では、MBA絡みも本来、読まないのです。

 なぜなら、自分の勤めている中小企業の実務には、参考にならないからです。
 この辺は、ランチェスターの弱者の戦略が詳しいです。


 逆に、中小企業の社長の本は、大好きです。
 最低でも、二つや、三つは、即、真似できるアイデアがあり、
 たとえなくても、どんな考え方を持っているか、
 日常的になにをしたり、考えているかなど、ヒントになることがたくさんあります。

逆に(?)中小企業の社長の本はあまり読んでいないのですが、これは良い本だなーと思いました。ただ、実際には小山氏の実績というところで割り増して読んでいるのかもしれません。著者によって著作を解釈するのはよくないんでしょうが(←異論がいっぱいありそうですが)...いや、ビジネス書の場合はそもそも例外なんでしょうか?


http://blog.goo.ne.jp/eliesbook/e/efa45135a606926af6f53ee7f0a0cb18

経営者の仕事は数あれど、決定ほど重要なものは存在しない。
本書は、そのことに気づかせてくれると同時に、著者が実際に行っている具体的「決定」の数々から、多くを学ばせてくれます。
経営をしていると、いろいろと迷うことがありますが、そんな気持ちになったときこそ紐解きたい、経営者のための心得書です。


私は経営者じゃないので、この心境はないのですが最後の一文が本質なのでしょうか?具体的にそのままパクれるものは少ないというのが私の解釈なのですが、それでも小山氏の思想に触れられる点がいいと思いました。中小企業の社長さんに読ませて感想を聞いてみたいような本です。


 

posted by 山崎 真司 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年05月08日

アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役

稲盛和夫著
日本経済新聞社 1500円(税別)
初版: 2006年9月

アメーバ経営というのは、アメーバという小さな組織で経営をするという組織論だと思っていました。しかし、この本を読むとなにやら違う印象です。


アメーバ経営とは組織論であり、”部門を小さくして、部門別採算制度”にすることで、各部門のリーダーやメンバーが”自分の”課題として経営を行うことが本質だと思ってました。


しかし、この本を読んで大きく解釈が変わりました。私の解釈によると、アメーバ経営は、組織論でなく、管理会計方式です。

アメーバ経営の本質は
1.部門別採算制度を通して、
2.経営意識を持つ人材の育成ができ、
3.全員参加経営の実現もできる、
管理会計手法ということのようです。


そして、この管理会計手法の効果として、
・部門別採算表(という管理会計情報)をタイムリーに作る
・部門別採算表により、細かい粒度の会計情報を作る
ことができ。その結果、上位マネジメントから正しい(=適切な場所に適切なタイミングで)手当てが出来ることが重要ではないか、という仮説を考えながらこの本を読みました。


また、アメーバ経営が京セラに対して持続的競争優位をもたらしていると仮定すると。何故他社がそれをマネできないのか、という疑問がわいてきます。それについては、この部門別採算制度を行う際に難しい、部門間の調整(例えば、中間生成物を売るアメーバは、完成品を作っているアメーバに対していくらで卸すかという価格を決める問題)を、アメーバの上位の層で判断しなければならず、これは容易ではないように思えました。


アメーバ経営がどの会社に対しても適用できるものかどうか、については分かりませんが、管理会計の方法を見直すことで、企業の競争優位を作るということは再考の余地がある思いました。もちろん、アメーバ経営で使われている部門別採算表というのは、長く発展させてきたものですので、よく出来ているのではないかとは思いますが。


他の人の感想を読んで:
http://d.hatena.ne.jp/sen-u/20070505/p1

ウチの会社でもやってみることにする。そして、「営業と製造がともに発展するもの」という考え方を取り入れることを検討してみる。
なるほど、「営業と製造がともに発展するもの」というところをポイントで読んだのですか。ソフトウェア開発で、プロジェクトごとに採算表を作るというのはまぁありがちですが。たしかにタイムリーにこれがあると、いいですね。「営業と製造」というよりも、製造部門ではコスト感覚が甘い人も多いので、使えそうです。いや、うちの会社では開発がありませんが...


http://ftopapa.blog.ocn.ne.jp/dokusyo/2006/12/post_222f.html

明日からでも取り組んでみたいのであるが、自分でどう組み立てるのかがポイントになる。
え”ーーーー、明日から取り組めるのでしょうか...あ、でも考えていても仕方ないので、スモールスタートでやっちゃうというのは正しい手法でしょうが...


http://yasu-raku5.jugem.jp/?eid=1187

しかし、その当たり前のことを忠実にできるからこそ企業の成功は起こるわけだと思います。理想論的なアメーバ経営を実現できれば企業は成功するが、それが非常に難しいことである。だからこそ、この経営方法を書籍で発表できるんでしょう。
実はこの本を読みながら、当たり前のこととは思いませんでした。たしかに、完全にこの通りにいくのは理想論とは思いますが...
アメーバ経営のうち、そこに含まれている競争優位の本質がどこかを考えながら読んでいたのですが。結局は、試してみないとそれが分からない(そしてそれは実際は不可能)ということに苛まれながら読んだりしてたのです。
一番ありそうなのは、過去については、上記のタイムリーな細かい粒度の管理会計情報によるマネジメント、とは思っているのですが。


 

posted by 山崎 真司 at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年04月26日

米軍式意思決定の技術

中村好寿著
東洋経済新報社 1800円(税別)
初版:2006年6月

元戦闘機乗りのジョン・ボイド氏が主張する”OODAループ意思決定”法の解説本です。
OODAというのは、行動を決める際に

Observation 観察 1つを取る
Orient 判断 深く考える(行動した際のイメージをする)
Direct 決定 決める
Act 行動 動く

という手順を行います。通常の意思決定方法が、Observationの前に複数の選択肢があり、そのうちベストなものを選び出すという手順があるのですが、このOODAループでは最初の選択肢の決定が直感となっており、その分だけより良い実行方法についてより深く考えことを重視しています。
この背景としてはボイド氏は意思決定のスピードを高めることで、奇襲やより機動的な攻撃をしかけられるということとなっています。このあたりはクラウゼヴィッツが基本的に奇襲は有効でないと考えているのに対して、むしろ兵は詭道なりといった孫子や、総力戦でなく機動戦で相手の戦意を奪おうとしたリデルハートの影響を受けているのでしょうか?
さて、この本のサブタイトルにタイトル”ビジネスに活かす!”とありますが、このような思考スタイルは、会議や交渉事には使えます。要は”選択肢の絶対的な正しさじゃなくて、手段にこだわる”といったところでしょうか?思考時間に制限がある場合は、普段からこのように行っている人もいると思いますが、それを形式化しているところがポイントでしょうか。


他人の書評を読んで:

http://blogs.itmedia.co.jp/tsuruta/2006/12/post_5afd.html
ごめんなさい、こちらのページは書評ではないです。この本と内田 和成氏の”仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法”を合わせてスピードを上げることを述べています。
仮説を活用して様々な検討を行うことは、課題解決、問題の明確化、戦略の立案など、プラニングだけでなく様々な局面での思考のスピードを上げることができます。
とありますが、課題解決や問題の明確化にOODAを使うというのはあると思いますが、戦略の立案ではあまりOODAループが重要ではないと考えていました。実際のところはどうなんでしょうか?
たしかに実社会では、ある基準の下に最適な選択肢というものが本当に最適なのかというとそうでもないことが多いです。それならば、OODAループを使うという考え方もあります。
一方でいわゆる”議論を尽くす”ことの方が戦略の立案では大事じゃないかな、と考えるのですが。そもそも、どのような戦略を考えるのか、といったことを明確にしないとどちらがいいとは言えないですね。


 

posted by 山崎 真司 at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年04月02日

行動経済学 経済は「感情」で動いている

友野 典男著
光文社新書 950円(税別)
初版:2006年5月


内容:
行動経済学という心理学を経済学に応用した分野の入門書です。行動経済学についての一般的な説明と、著者の友野氏が明治大学の教授ということもあり、氏の(心理学的な)実験的な結果でその解説を補足しています。

ちなみに行動経済学というのは、従来の経済学は、各人が理想的な行動を取るという仮定の下で理論を組み立てているのに対して、行動経済学は理想的ではない行動というところに目を向けたものです。


感想:
ゲームの理論、フレーミング理論や、人間の認知プロセスなどどこかで読んだことが述べられていますが、本書の中心になる部分はプロスペクト理論となります。

このプロスペクト理論ですが、ポイントとしては
・低い確率のものを過大評価する
・高い確率のものを過小評価する
・事前確率を無視しがち

といったところでしょうか。また、確実性が高いことや、自分が持っているものにより高い価値を持つといった

他人の書評を読んで: 
http://link-kobo.no-blog.jp/research/2007/01/post_f78d.html

今の時点でも、行動経済学は体系化はされていないので、やはり、実験やそこからのモデル化を並べざるを得ず、そうなると、時間を経て様々な検証やモデル化が行われた故に、実験→モデル化→反論や反証実験→モデル化→整理といったような構成になってしまい、まとまり感が得られません。
(省略)
とはいえ、新書で、これだけの内容を書かれたことには敬意を表します。本来なら、単行本でもいいのではと思うくらいです。

この本がトピックを網羅的に説明していて、まとまり感がないのはまったく同感です。これは逆に、各トピックに分かれていて読みやすいとも取れますが...以前読んだ、行動ファイナンス理論の本も全く同じ感想を持ちましたが...


http://gitanez.seesaa.net/article/20185398.html

しかし、同時にヒューリスティクスとしての常識が役に立つのは、その情報が有効となる環境が前提となるのも確かなのでしょう。つまり、環境が変われば「常識」は役に立たない。そして、状況が異なる環境はいくらでもあって、そのためにマーケティングが潜在的に特定の常識を前提としていた場合、環境の読み違いによって、展開したマーケティング施策がうまくいかないこともあるわけです。
実は行動経済学という本を読んだ上で、どこで活かすかということが問題になるかと思いました。自分の受ける印象には様々なバイアスがかかっているということを認識することはいいのですが、この知識をどこに使うかはHIROKI tanahashiさんがおっしゃるように、難しそうです。


 

posted by 山崎 真司 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年02月24日

景気変動と経済政策がよ〜くわかる本

山澤 成康著
秀和システム 1500円(税別)
初版: 2006年10月

内容:
サブタイトルが”景況感を磨く経済・金融入門講座”となっています。章立てとしては

第1章 なぜ景気が動くのか
第2章 景気を見るための指標
第3章 財政政策
第4章 金融政策
第5章 これからの景気を考える

となっており、それぞれの章ごとにトピックが10〜20くらいのトピックが取り上げられており、各トピックは2ページで解説されています。経済について言葉は聴いたことあるけど意味は良く分からないといった人が、概要をつかむといった本といったところでしょうか(そのまま?)。


感想:
タイトルに魅かれて読んでみたのですが..若干初歩的な内容でした。もうすこし、景気変動について突っ込んで書かれていると期待していたのですが...GDPやDIといった言葉から勉強していく人にはいいのかもしれません。

といっても、もちろん、いろいろ知らないこともありましたが...まず読んでて初めて知ったのは「ハイパワードマネー」という言葉。これはマネタリーベースのことなんですね...この言い回しは知りませんでした。
あと、景気刺激策の公共投資について。減税と違って、公共投資は直接GDPに影響と与える(そして二次的効果がある)というのはどこかで聞いたことがあった気がしてましたが、ちゃんと認識したのははじめてです。ただ、この本ではツッコミが甘いので(あたりまえ?)、このテーマについてはまたどこかで調べないと詳細が分かりませんでした。
あと読みながら、やっぱり日銀短観くらいは目を通さなきゃ駄目なのかなぁ、とか思いはじめました...といっても経済の分野は得意じゃないので、読んでもちゃんと読み取れるか不安...


他人の書評を読んで:
みつかりませんでした。最近、他の方が書評を書かないような本(古かったり、初歩的だったり)といった本をよく読んでる気がします...

posted by 山崎 真司 at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2008年02月09日

3時間でつくる技能伝承マニュアル

森 和夫・森 雅夫著
JIPMソリューション
初版: 2007年11月

内容:
工場などでの技能マニュアルを簡単に分かりやすく作りましょうという本です。作業マニュアルをWebカメラとパワーポイントを使って、写真や時には動画を使って作りましょう、というススメとなります。


感想:
3時間で作れるというタイトル通り、3時間で作れそうです。そして、このマニュアルを読むのも30分くらいです:-)
実際に工場で働いたことも本物の工場の手順書も知らないのですが、たしかにこの本で書かれているような作業手順書を(工場管理のような雑誌で)よく見ます。

この本はWebカメラを使って、写真をベースに分かりやすくパワーポイントを使えば、分かりやすい作業マニュアルが作れますよ、という啓蒙書となっています。一度、このパワーポイントベースの作業マニュアルさえ見てしまえば、すぐ作れるといった内容ですが、それを思いつかない人向けの本ということで。
なんとなく、プレゼン技法のひとつの高橋メソッドを思い出しました。


他人の書評を読んで:
見つかりませんでした。まぁ、書評を書くようなものじゃないということでしょうか..

 
posted by 山崎 真司 at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書