2011年10月07日

考えなしの行動?

考えなしの行動?
考えなしの行動?
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ジェーン・フルトン・スーリ IDEO
太田出版
売り上げランキング: 19469


様々な物を人はどう、「正しくなく」使うのか、という本です。様々なシーンの写真が載っていて、そこからインスパイアされるような作りになっています。つまり、基本的にはある種の写真集です。

内容はいかにもIDEOの本といった感じで、IDEOがフィールドで撮った写真がいろいろと載っていて、アイデアの訓練にはおもしろい本です。


ちなみに何故か翻訳があの森博嗣です。なんでだろ...

アフォーダンス実践編といった本でしょうか...ノーマン好きにもオススメ。この本をどう使うかは悩ましいところですが、興味ふかい本ではあります。


誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
ドナルド・A. ノーマン D.A. ノーマン
新曜社
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複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦
ドナルド・ノーマン
新曜社
売り上げランキング: 6999

posted by 山崎 真司 at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年10月06日

マネージャーの実像

マネジャーの実像 「管理職」はなぜ仕事に追われているのか
ヘンリー・ミンツバーグ
日経BP社
売り上げランキング: 8089


”マネージャーの仕事”の続編といった本です(30年くらい前の本だと思いますが)。もちろん、”本では、MBAが会社を滅ぼす”のような他の本の内容も若干入っていますが、基本的には”マネージャーの仕事”と同じ主張です。

つまり、マネージャーの仕事の本質は、混沌であり、非定型の仕事や雑用や割り込みの只中にあるというものです。

この本では様々な組織の様々な階層の29人のマネージャーの行動観察と、様々なリーダーシップ論などの論文の参照を元にマネージャーとはどういうものであるのか、そしてどういうものではないのか、を明らかにしています。


内容自体は”マネージャーの仕事”とそれほど変わらないという印象ですが、それ以降の様々な研究を踏まえてどう変わったのか、という視点で読みました。そしてあまり変わらないという印象です。ちなみに、この本は、本当に参照文献・論文が多く、これだけしっかりを調査しながら書かれている本というのは、読んでいて気持ちいいです。

マネジャーの仕事
マネジャーの仕事
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ヘンリー ミンツバーグ
白桃書房
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posted by 山崎 真司 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年09月29日

人材を活かす企業

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)
ジェフリー・フェファー
翔泳社
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ジェフリー・フェファーの本ですが、原著は1998年のものです。そのためか、日本経営の良いところに関しての言及がいたるところにあります(多くは既に失われている)

基本的には、企業の価値の源泉は人にある、ということ、そして個人でなくチームにあるという主張を述べています。たしかに、現代では土地資本や機械でなく人的資本(要は人)がお金を生むという時代で、それはさらに進んでいます。それならば、代わり映えのしない戦略に注力するくらいならば人に注力するべきだし、そのための方策がこの本にあるというのは説得力があります。

また本書の最後で少し述べられていますが、人に注力するというのを企業戦略として見るとこれは難しい戦略でもあります。リチャード・ブランソン率いるヴァージングループでは、社員が第一、顧客が第二、株主が第三と発言しています。しかし、よほどの実績を持つ経営者か非上場企業でなければ、このような発言をすることが出来ないです。そして、このことが、人を中心にするということが競争優位になることを示唆しています。


終身雇用(といっても無能な人を雇用するというわけではない。企業環境の変化で人を切らないだけ)報酬の公平性、教育の重視といった人に関わることは企業経営を考える上では最も大事な論点ということです。
posted by 山崎 真司 at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年09月25日

事実に基づいた経営

事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?
ジェフリー フェファー ロバート・I. サットン
東洋経済新報社
売り上げランキング: 95152


組織論で有名なジェフリー・フェッファーとロバート・サットンの本です。二人の書いた記事は何度か読んだことあったのですが、単行本を読むのは初めてです。ちなみに、以前この本の抄訳のような記事をHBRで読んだことがありました。

この本で主張していることはタイトル通り、”事実に即した”ことをしようということです。”エビデンス”(証拠)をベースに、企業の選択をするということです。


論点としては、それぞれよく主張されていることですが、改めてよくまとめてあります。例えば以下のようなものです。

・経営者の影響はそれほど大きいのか?
・M&Aは有効なのか?
・企業の戦略は
・金銭的なインセンティブは業績を上げるか?

それぞれは言われていることだと思いますし、取り上げられている例もありがちでした。しかし、このような視点で列挙されると非常に説得力があります。


通常の本ではM&Aや企業戦略といった切り口で語っているのですが、この本は”エビデンス”という切り口で語っています。今更読んだのですが、すぐ読めばよかったと思いました^^;;
posted by 山崎 真司 at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年06月30日

ハイ・フライヤー

ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法
モーガン マッコール
プレジデント社
売り上げランキング: 42505


企業でのハイ・フライヤー(高く飛ぶ者)についての話です。このハイ・フライヤーは映画”ライト・スタッフ”に出てくるチャック・イェーガーのように、最初からライトスタッフ(正しい資質)を持っている者でなく、教育していくということです。

ライトスタッフ仮説という「一部の人には最初からライトスタッフが備わっているのでそれを選抜する場所を用意する」から、”教育”への移行を薦めています。このライトスタッフ仮説は実際には、ほとんどの企業で行われいるものです。たとえエリート養成といった仕組みがあっても、様々な部署へ異動させて実際には特に支援を行わず上手くいったら、「よくやった、次はXXの部門だ」といった結局は”教育”じゃなく”選抜”してるだけというシステムの元になっている考え方です。


そしてこの本では、教育はOJTによるものとしています。これまでいろいろな会社をみてきましたが、効果的なOJTが出来ている会社は日本ではきっと1割もないでしょう(きっと数%)。また、教育と成果はしばしばトレードオフの関係にあります。その人が成長する職場はその人がやったことないことをやる職場、その人が成果が出る職場はその人がやったことがある(得意な)ことをやる職場なわけです。

多くの会社はこの点で、部分最適(短期的な最適化)をしてしまい得意な人に得意なことをやらせて教育に舵をきりません。また、成長は軋轢を生むものということもありますし。そもそも個人の成長を促すことがどのような効果があるのかという説明責任をつきつけられた時に、説明しきれないというのも成長を重視しない原因になります。。

結局は、成長する会社はまさにトップのリーダーシップの問題であることがわかります。これがハイ・フライヤーの要点でしょうか。


ただし、この本はトップのリーダーが読むべき本だけでなく、部下を持つ全ての人に効く本だと思います。「ベンチがアホやから」といったところで、はじまらないですから。

個人的にはビジョナリーカンパニーシリーズを思い出しました。あの本は会社についての本ですが、これは個人についての本なのですが。
posted by 山崎 真司 at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年04月12日

起業のファイナンス

磯崎哲也著
日本実業出版社 2200円(税別)
初版: 2010年10月

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
磯崎 哲也
日本実業出版社
売り上げランキング: 1127


タイトルにファイナンスとあるので管理経営とか会計の本かと思いますが、むしろ戦略の本です。戦略といっても企業戦略じゃなくて、資金戦略ですが…


管理会計の本というのは何冊か読んだことがあるのですが、資金戦略の本はあまり読んだことがありませんでした。特に起業フェーズのみにしぼったものははじめて読みました。


本書のポイントをまとめてしまうと、持株比率に注意をしながら、ちょうど必要なだけの資金を集めようというところに収斂されるでしょうか。

そして本書の様々なところでこのような技術を超えたアニマルスピリットの重要性を説いています。アニマルスピリットというのは血気とも訳されるもので「損得を超えて起業する精神」といった意味としてケインズが唱えたものです。

このアニマルスピリットと起業時の資金戦略が本書での起業のポイントとなってきます。もちろん、”売れる”ビジネスモデルや商品が必要ですが、これは本書の範囲ではありませんが。


posted by 山崎 真司 at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2011年01月27日

失敗の技術

マルコム・グラッドウェル著
講談社 1400円(税別)
初版: 2010年8月




この本は様々な事象を”読ませる”天才の一人、グラッドウェルのコラム集です。コラム集というと、雑多な寄せ集めという印象がありますが、この本は、ガッシリ身が詰まったという印象があります。これはそれぞれの章で説明したいキーコンセプトが明確にあって、そこからコラムが組み立てられているからでしょうか。


読んだ中からポイントを2つ挙げると。”パズルとミステリー”、”正規分布とべき乗分布”でしょうか。

パズルというのは全ての情報が揃ってないだけで、全ての情報が揃ったら解けるものです。ミステリーは全ての情報が揃っていても、そこからストーリーを組み立てないと解けないものです。
エンロン事件は、全ての情報が事前に揃っていたが、そう解釈しなかっただけなので、ミステリーになります。

最近はこのミステリーが重要でしょうか?ミステリーは少数の天才が解くもので、情報さえ集めればいいというわけではありません。答えが確定していないオープンな問題か、答えが確定しているクローズな問題かというのとも似ていると思いました。


また、様々なものは正規分布かべき乗分布をしていることが多いですが(もちろん分布が分からないというものもたくさんありますが)。直感的には、物事を正規分布と考えがちです。

ある事象に対して対策を取る時に、べき乗分布の問題を正規分布として対応すると、対応策が全然間違ったものになってしまいます。

仮に1万人の街で、年間1000件の犯罪がおきているとしましょう(すごい多いですが、あくまでサンプルとして)、この時、一人当たり0.1件の犯罪を起こしているから、1万人全員の犯罪率を低下させるような啓発活動をすると見ると大きな間違いになります。むしろ、10人くらいのごく少数の人が非常に多くの犯罪を起こしているので、ここの対策を考えるということになります。

つまり、問題の構造を間違えると対策も間違えるということです。


ちなみに、タイトルは”失敗の技術”とありますが、あまりタイトルは気にしない方がいいでしょう。あまり直接的に失敗とリンクしないというネタも多いです。


ちなみにべき乗分布については、以下の本が圧倒的にオススメです。



あと、グラッドウェルといえばこの3冊でしょうか。

天才!  成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル
講談社
売り上げランキング: 1364


急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)
マルコム・グラッドウェル
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 4258


第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
マルコム・グラッドウェル
光文社
売り上げランキング: 2482

posted by 山崎 真司 at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2010年12月12日

超ヤバい経済学

スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー著
東洋経済 1900円(税別)
初版: 2010年10月(原著は2009年)






経済学というと,GDPがなんとか,法人税率がなんとか,なんとか曲線,といったものを想像しがちですが,実際の日常の生活においても経済学は生きています.

そんな身近なことを,”経済学する”,というのがこの”超ヤバい経済学”です.まず,のっけから,酔っ払いがぐでんぐでんに寄って1マイル(約1.6km)のうちに帰るとき,歩いて帰る,のと,車で帰る,のはどちらが安全か?という話題です.

経済学に限らずこのような問題には,”冷静な頭で”,”データを元に”,判断する必要があります.結果として言えば,答えは”車”となります.

もちろん,法律が云々とか,歩いて帰るならば他人に迷惑をかけないが,車の場合は他人を殺してしまうかもしれない,といったことはおいておいてですが.ただ,直感的には,自分の身の安全だけでも歩いていく方が安全なのに,意外と逆,というのがデータを元にした結果となります.


他にも売春婦の相場や行動といったシステムの説明では,人間の社会はやはり合理的に出来ているといったことがわかります.このシステムも実に経済学的に合理的な(需要と供給,インセンティブといったもので説明がつく)ものになっています.


また,有名なキティ・ジェノヴェーゼの事件(38人の目撃者がいて誰も通報しなかった,というアレ)について,実際に今”伝わっている”話が真実かという話が一番面白かったです.たしかに記者には,記事を面白く書くというインセンティブがあり,警察には警察が悪くないというように言うインセンティブがあるため,”伝わっている”話が真実そのままでないというのは納得がいきます.


つまり,この本がなんであるのかというと,それは物事を合理的な,そして各人のインセンティブを考えるという視点です.それが経済学的視点ということでしょう.以前読んだ,インセンティブという本を思い出しました.



posted by 山崎 真司 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2010年08月08日

ビジョナリーカンパニー3

ジェームズ・コリンズ著

日経BP社 2200円(税別)

初版: 2010年07月








先日、出たばかりのビジョナリーカンパニー2の続編とも言える本です。


ビジョナリーカンパニー2は、企業の発展に焦点を当てた本ですが、こちらは衰退に焦点を当てた本です。日本の企業に勤めている場合は、こちらにより親近感を持って読めるかも知れません。(泣き)

この本は、ビジョナリーカンパニー(無印)、2と同様にまずデータを集めて、そこから分析をしているという手法をとっており、非常に好感が持てます。



この本では、衰退を5段階、



1.成功から生まれる傲慢

2.規律なき拡大路線

3.リスクと問題の否認

4.一発逆転策の追求

5.屈服と凡庸な企業への転落か消滅



に分けて説明しています。多くの部分についてはビジョナリーカンパニー2でほのめかされていたことになっています。



ビジョナリーカンパニー2の指摘から見ると、一つのことへの集中(針鼠の概念)ということが一番大事なポイントでしょうか。また、そこから衰退していくにあたっては、現実を直視せず無理に拡大をしていくことで体力(=キャッシュ)を食いつぶしていき、また本来の主業(フリーキャッシュフローを生み出す事業)から力をそらすといったことを行っているといったところでしょうか。



本書は分厚いわりにページ数が少なく、また本編も少なく、空白が多いということで2と比べると短編となっています。まずはビジョナリーカンパニー2を読んでからこちらを読むとすっきり入ってくるのではないでしょうか。
posted by 山崎 真司 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2010年08月05日

ビジョナリーカンパニー2

ジェームズ・コリンズ著

日経BP社 2200円(税別)

初版: 2001年12月








ビジョナリーカンパニー3が出たということなので、かなり前に読んだ無印(以下1)と2も買ってきて読んでみました。あ、1は友人に貸してしまったので、手元には2と3しかありませんが..



2を読んだ感想としては....めちゃくちゃ面白い! 以前読んだ時は、その論の進め方の真摯さに惹かれていたのですが、改めて面白かったです。



最初に人を選び、その後に目標を選ぶ

弾み車(同じ方向に押し続けることで加速していく)

針鼠の法則(1つのことに集中する...丸まることしかできないが、アレコレ工夫する狐にも負けない)


といったことがポイントでしょうか。経営者自身のカリスマ性でなく、企業文化を作る、そして文化は強みに向いているということでしょうか。また、パフォーマンスを測る指標も企業が決めた独自のものであることも卓越性に関連した大事なポイントでしょうか。





この2はビジョナリーカンパニーシリーズの中でも、いわゆる急成長についてフォーカスしたものです。ビジョナリーカンパニーという邦題に騙されそうですが、原題は"Good to Great"(良質から偉大へ)となっており、ビジョナリーとして想像されるものとは違います。

posted by 山崎 真司 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書