2008年05月27日

マーケティング22の法則

アル・ライズ/ジャック・トラウト著
東急エージェンシー 1456円(税別)
初版: 1994年1月


サブタイトルは「売れるもマーケ 当たるもマーケ」です。果たして、マーケティング次第で、売れたり、当たったりするのでしょうか?

この答えは、「言うまでもなく、イエス」だと思います。
商品が売れるかどうかはもちろん、運の要素も非常に大きいし、営業力なども影響が大きいと思いますが、最終的にはマーケティング以外にはあり得ないでしょう。
その点では、この本はあまりにも凡庸なタイトルをつけてしまっていると感じざるを得ませんでした。逆に、このタイトルに惹かれる人は、この本の読者と言えるのかも知れません。


それは、この本がよく言われていることをキレイにまとめた本であり。逆に言えば、特に目新しいこともなく、マーケティングについての一般的に言われていることを22の法則ということでまとめただけだからです。各論で異論があるものもありますが、総じて言えば一般的に言われていることを上手くまとめているといったところでしょうか。


ただ、著者がマーケティングのコンサル会社のせいか、マーケティングといっても、若干プロダクト軽視でプロモーションに偏っているように読めます。そこに注意して読めば、
マーケティングの初心者にオススメできる本といったところでしょう。

 
posted by 山崎 真司 at 21:31| Comment(2) | TrackBack(0) | マーケティングの本

2008年03月04日

急に売れ始めるにはワケがある

マルコム・グラッドウェル著
SB文庫 780円(税別)
初版:2007年6月

内容:
サブタイトルは”ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則”となっています。原題は”The Tipping Point”(ティッピングポイント)となっています。このティッピングポイントというのはある地点を過ぎると急速に広がるという爆発的感染が始まる点のことです。例えば、あるメーカーの鞄があったとして、最初はごく一部の人しか知らない(持っていない)のですが、ある時点から急速にみんな知って持ち始めるといった点のことです。このティッピングポイントについての話題を中心として、雑誌のライターであるグラッドウェルが書いています。

このティッピングポイントについての3原則として
1.少数者の法則 (ごく一部の人が周りを”感染”させる)
2.粘りの要素 (繰り返しによって認知させる)
3.背景の力 (人の性格などでなく、状況などが影響を与える)

といったことを述べてます。


感想:
少数者の法則の中で述べている、コネクターという概念がよかったです。

生まれつき多くの人と繋がるタイプの人がいて、こういう人が情報を急速に伝達するということを述べています。そういえば、知人の中でもいろんなコミュニティに所属していて、休日はびっしりいろんな知人と会う予定を入れていて、ランチもいろんな人と食べるというタイプの人がいました。
こういう人に「**というイベントをしたいけど、協力してくれそうな人を紹介して、もしくは紹介してくれそうな人を紹介して」といったことを頼むと、それっぽい人を紹介してもらえる、と。
会社の中ではこういう人がいることを認識してますが、個人的に巨大なネットワークを作ってる人がいるということは忘れてました。
粘りの法則は、ティッピングポイントの話というより感応度分析(感性工学?)の話です。セサミストリートが細かい分析とフィードバックを伴って作られたという話です。感応度分析の話自体は何度か読んだことがあったので、あまり面白くありませんでした、うーん。
背景の力では、有名な窓割れの理論が述べられてます。これも何度も読んだニューヨークの改革の話の触りが述べられており、また「商品はどのようにして感染するのか?」という魅惑的なタイトルでは、ジェフリー・ムーアのキャズム理論の触りが述べられているだけでかなり期待はずれでした。


と、こんな感じで、ティッピングポイントを中心に述べていますが、若干ズレている周辺分野の記述(しかも有名な話が多い)ところもあり、思ったほどでもありませんでした。まぁ、全体を俯瞰するにはいいのですが、やはりティッピングポイントという話題からの関連の薄さを感じてしまう話が多かったかな、というのが正直な感想です。


他人の書評を読んで:
http://zarathustra.blog55.fc2.com/blog-entry-216.html
本書の締めくくりの言葉である。「正しい場所を押してやれば、傾く」というメッセージは非常に重みがある。「ティッピング・ポイント」というのは、希望を与えうる言葉であるわけだ。

 
じゃあ、どこを押すのか?という疑問がどうにも出てしまうのです。もちろん、この本の説明でいうコネクターや情報通のメイブンといった人を上手く使ってとなるのでしょうが...もっとも、こういう構造があるということを知らなければ、その正しい場所探しがもっと難しくなる、ということなんでしょうが...


http://right-left.tea-nifty.com/blog/2007/07/post_5892.html
同じ情報を持っていて他の人に影響を与える人と与えない人の違い、人の感情に影響を与える背景・方法などが面白い。商売だけでなく教育にも深く関係する技術です。

 
私の読みは、趣味や仕事の上ということをイメージしながら読んだのですが、教育という点では非常に有用かもしれません。実際に子供においては、まさにこの本のようなネットワークになっているでしょうし。教育という視点は全くありませんでした、さすがです。


http://d.hatena.ne.jp/mixa59/20071204
こちらの方の読書メモ帳がとてもキレイにまとまっていて良かったです。ほんとに読みやすい。

 
「水を飲むような読書」を目指していましたが、この本は、売り飛ばしたりせず保管書籍の仲間入りです。
 
私との読書傾向の違いなのかもしれませんが、こういう部分が感じ取れませんでした。たしかに具体的なことが書いてあるし、ある範囲での相関は感じたのですが...ううむ...もう一度読まないと....ううん、どうしよう?


 

posted by 山崎 真司 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティングの本

2007年12月02日

Globis Management Review 2003,Vol.4

ダイアモンド社 1800円(税別)
2003年8月号

内容:
既に廃刊になってしまったGlobis Management Review(以下GMR)のvol.4です。この号がたしか最終号となりました。定期購読してたのに...

主な記事は以下です。
・エンタテイメント・ファイナンス
・ファシリテーターの思考技術
・知的資本のマネジメント


また、マーケティングをモノにする20冊として、
「なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?」
「ベルナール・アルノー、語る−ブランド帝国LVMHを創った男」
「シンプルマーケティング」
等が挙げられています。実際私が読んだことがあるのは、1/3位でしたが分かりやすい本がたくさん取り上げられていました。

感想:
ふと目に留まって再読です。内容的にはHarvard Buissiness Review(以下HBR)とよく似た感じです。若干だけHBRより科学的な感じです。

「ファシリテーターの思考技術」に惹かれて読んだのですが、いまいちでした。まぁ、この手の本を何冊か読んでたので、この程度の内容では...
ケーススタディでは、”「家庭優先」という特別待遇が投げかけた波紋”というタイトルで、子供を持つ女性アカウント・マネージャーの特別待遇に対して、子供のいない別の従業員が同じ待遇を要求した時にどうするか、というありがちでどこかで聞いたことがあるようなことがテーマです。

いくつかの回答からまとめると、このような場合の基本的な対応としては、
・成果が同じになるように工夫するよう従業員に要求する(これは管理者の責任と勘違いしている従業員が多い)。
・特別待遇というのは従業員が定着することで、より高い成果を求めるためのものであって、従業員の権利としてあるわけではないという前提。

といったところが基本的な戦略でしょうか。
 
posted by 山崎 真司 at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティングの本

2007年11月11日

10倍儲かる通販ビジネスの秘密

臼井 由紀著
日本実業出版社 2800円(税別)
初版: 2006年10月

内容:
オビによると、「本部5人で年商23億円の究極のノウハウ!」だそうです。健康通販の会社を経営している著者が、自社のノウハウをポイントごとに解説しています。

手ごろな商品(千円〜2万円程度?)のインターネット通販のノウハウを述べています。内容はインターネット通販のみでなく、DMなどのメディアミックスも勧めていますが、基本的にはインターネット通販を中心としたものです。


感想:
某メルマガで絶賛されてたので買ってみました。内容の割に値段は高いと感じましたが、実際に通販をしている人にならば直接的なノウハウ本としていいのかもしれませんが...

内容については..レベルが通販に限定した内容ばかりで、しかも戦術レベルというか戦闘レベルの内容ばかりでしたので、私にとっては参考になるところがほとんどありませんでした。
ちょっと残念でしたX_X) ほんとは内容をたしかめてから買おうと思ってたのですが、本屋でみかけられずAmazonで買ったのが結果的には失敗ということでした。
 
posted by 山崎 真司 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティングの本

2007年08月13日

達人のサイエンス  真の自己成長のために

ジョージ・レナード著
日本教文社 1419円(税別)
初版: 1994年2月25日

内容:
第1部 達人の旅
第2部 達人への5つのキーポイント
第3部 マスタリーへの旅支度

合気道の師範でもあるジョージ・レナードが、「達人への道」とはどういうものかを述べています。
第1部では、何かを行う上での学習曲線で水平状態になる”プラトー”(←いわゆる足踏み状態)という概念を説明しています。そして何かを学習するには”プラトー”というがむしろ普通で、結果をすぐに求めるのでなく、この”プラトー”自体が大事であるということを述べています。そして、この”プラトー”を受け入れて”マスタリー”(達人への道)を歩むことを勧めています。
第2部では、どうやって”マスタリー”を歩むかという方法について、キーポイントと落とし穴について述べています。
第3部では、合気道の師範でもある著者が、心身のリラックス法について書いています。


感想:
トム・ピータースが何かの本の中で勧めていたので、読書リストにずーっと載ってたのですがようやく読みました。
著者が合気道の師範ということもあって、”道”について述べてます。ポイントは2つです。

・学習する際には必ず”プラトー”という成長曲線ガ水平になる踊り場(つまり成長していない時期)があって、むしろ成長してるよりこの”プラトー”にいる方が長い
・人間は(←人間だけでなく組織とかも)”変化したくない”という”ホメオスタシス”(恒常性)というのあって、これが邪魔をする

また本の内容はとても共感できて、非常によかったと思いました。全てに活かせるような話ばかりでしたし。プラトーの罠に実際よくハマっているなぁ、というのは初めて気づかされました。その点だけでもとてもとても良かったです。
ただ、一点思ったのは、著者が書いていることが自分が昔から思ってたことに近いため、この本を高く評価しているのが正当なのかどうかという点が難しいところ。この本は、少なくとも今月ベストなのですが、自分との波長がばっちりだったから高得点なだけではないかという疑いがあります....
もしよろしければ、誰か読んで感想聞かせてくださいっ。私が今年読んだ本では、”ソクラテスの弁明”の次によかったです。そのくらいの良さ
posted by 山崎 真司 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティングの本