2013年10月25日
かたち
フィリップ・ボールの3部作の1つめです。自分たちの読書会の課題本として読みました。(ちなみにこの読書会でも、この3部作を1冊づつ取り上げていきます)
ダーウィンは、進化というものは自然選択の結果であるということを教えてくれますが、「それではどのように生物はこのような形態であるのか」ということには全く答えてくれません。
その答えの一部は、自己組織化といったキーワードではじまる複雑系の考え方の中にあるでしょう。この本は、直接自己組織化といったキーワードではありませんが、生物の形状がどうなっているかについての比較的新しい研究などから、「かたち」がいかにして生まれるかという物の見方を教えてくれます。なんとなく、生物の身体は、遺伝子の仕組みにしたがって、様々な分泌物やホルモンの反応が、上手いこと”設計図”的なものの役割をして生み出してくれるとイメージしている人が多いと思いますが、その仕組みは意外と化学的な反応に依存しているんだな、ということをこれを読むと思い知らされます。キリンやシマウマの模様は、突然変異による様々な試行錯誤と自然選択の結果でなく、むしろ比較的に「そのような形になりやすかった」という結果なのかもしれません。
この本を読んでいると以前読んだスチュアート・カウフマンの自己組織化にまつわる本や、リチャード・ドーキンスの書いた各種の生物についての本、そしてチューリングの研究を思い出します。ドーキンスの本にワクワクした人には特にオススメだと思います。
3部作の1巻目ですが、残りの2冊もとても楽しみです!とても面白い一冊でした。
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