2012年10月16日

貧困の克服



経済学者であり、哲学者でもあるアマルティア・センの本です。ノーベル経済学賞を受賞しているので名前を知っている方もいるかもしれません。

センの本は長らく積んどくがあるのですが、より読みやすそうなこの新書から手をつけることにしました。この本は様々なところで語った講演録をまとめたものなのでとても読みやすいです。この本は経済学の本という面もありますが、むしろ「社会がどうあるか、どうあるべきか」を分かりやすく語ったものです。基本的には東アジアを見ながら、インドと東南アジアについて語っているという印象です。

論点としてはいくつかありますが、

1.(国の中で)最も貧しい人びとと、そうでない人びとの分裂
2.人間の権利の保証と公正
3.民主主義

 1については、自由な社会では往々にして「最貧層」がおろそかになります。「最貧層」を救うためには多数決ではなく、倫理に基づかなければならないというのは分かるのではないでしょうか?

 2については3の民主主義と深く結びついています。報道の自由や選挙制度が権利を保証して、公正な社会を作る基礎となります。

 3については、東アジアの価値観はヨーロッパと違い”全体主義的である”ということが言われます。また、独裁的な政治形態のもとで、経済的に成功した国はたしかにあります。しかし、これらが民主主義を緩める(?)ことを正当化するわけではありません。

posted by 山崎 真司 at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般
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