2012年07月28日

美徳なき時代



タイトルは美徳なき時代ですが、原題はAfter Virtueです。Virtueというのは美徳というよりも、アリストテレスのアレテーと解釈するのがいいでしょう。ただし、タイトルよりも、章のタイトルのニーチェか、アリストテレスか、の方がしっくりくるかもしれません。

背景としてはニーチェ的な(つまり現代風の「結局、正義とか道徳って人それぞれだよね」)考えに対しての、アリストテレス的な道徳観(の修正版)への回帰の提案といった本です。これまでの啓蒙時代の様々な道徳思想である、ヒューム、カント、ミル、アダム・スミスなどを見ながらそれらの問題点を上げて、個人の物語と、それに伴う共同体という価値観を提案するというと、一昨年流行ったマイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが。「After Virtue」を受けての、「これからの正義の話をしよう」と考えるとしっくりするかもしれません。

前半部は、現代思想っぽい書き方で、哲学をするというよりも、様々な哲学を表面的に批判しているといった印象があり読みづらい(道徳学というよりも、道徳の系譜学といった感じ)のですが、後半のマッキンタイアの主張からは盛り上がってきます。ただ、自分自身の主張はあまり書いていないので本書の後編といえる続編の邦訳が待たれます...(ない気がするけど)
posted by 山崎 真司 at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学、人生論
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