2012年05月13日

塩の道



有名な民俗学者の宮本常一の本です。その名の通り、「塩」を中心として日本の伝統について述べています。いやー、塩という切り口でもいろいろ語れるのですね。

塩分を取るために山の人は塩をした魚を食べたが、塩が抜けないように煮るのでなく焼いて食べる、というのはいいとして。塩イワシを買うと、1日目は舐めるだけ、次の日は頭だけ食べるとか、次の日は胴体、そして尻尾と4日で食べるなんて初耳でした。

また輸送手段としての牛が意外と秀逸で、馬より細い道を行くことが出来、途中の草を食べながら行けるとか。また、商人が南部鉄を運んだ牛をそのまま売って帰るので南部牛があちこちにいたのではないかと述べています。


この本を読むと、昔の日本については知らないことだらけです。言われればそうかもね、とは思うものの全く考えもしたことがないことだらけなのが刺激的です。逆に、自分の昔についてのイメージがいかに、テレビの大河ドラマや時代劇といった薄っぺらい作り物の印象から来ているかということを自覚させられる本でした。
posted by 山崎 真司 at 06:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会一般
この記事へのコメント
おおっ!読んだのですね!宮本常一!! どちらかというと在野の学者ですが、書くものに力強さを感じます。この人、塩だけでこれだけ語れるのというのも驚異的な調査能力ですよね。著者を通して名もない民草の生の辛苦と生命力が伝わってくる気がします。
Posted by ふぃぶら at 2012年05月13日 11:11
おぉ、ふぃぶらさん、コメントありがとうございます!
めちゃ読みたくなって、ようやく読みました^^;;

本当に調査能力と、また、それを伝える能力が凄いですよね。面白い。塩という切り口だけで、歴史観を変えることができるなんて凄いですよね。他の本もまた読んでみようと思います (^^)//目指せ積んどく解消:->
Posted by やまざきしんじ at 2012年05月13日 21:14
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