2011年12月04日

メディア・バイアス

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
松永 和紀
光文社
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納豆が健康に効く、農薬について、遺伝子組換えについてなど、食品関係を中心としたメディアの無責任さについて説いた本です。

言うまでもなくメディアは刺激的なニュースや情報を流したがりますし、「**は危険!」のような情報を消費者が求めています。こういった情報は、「**の専門家***がこう言っています」という形で提供されます。もちろん分かりやすい情報じゃないといけませんので、そこには量や細かい条件などは消えていきます。


著者の非難は、自らの利益のために「**は危険」と主張する研究者(変な水や健康食品のメーカーに関係する人や、環境関係のNGOの人とか)でなく、それを無批判に受け入れる一般の人でなく、メディアに集中します。たしかに、メディアにとっては「分かりやすくないとウケない」、「**は安全というと後が怖いが、**が危険というのは問題がない」という非対称性があります。また、リスクを含めて正確に伝えるためには、メディア側にも知識が必要ですし、それを専門家に聞いても歯切れの良い答えはあまり返ってきません。その辺の(自称)専門家に聞けば、いくらでも消費者が言って欲しいような形で断言してくれます。


この本は、メディアのテキトーさ加減と、その背景を読むという本であると同時に、実際の問題についてのクリティカルシンキング(批判的思考)の練習本としても秀逸です。現実世界での、様々な報道をどのように受け取るかを考えるには一冊でした。
posted by 山崎 真司 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般
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