2011年01月31日

今この世界を生きているあなたのためのサイエンス2

リチャード・ムラー著
楽工社 1429円(税別)
初版: 2010年9月(原著は2008年)

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原題は”Physics for future presidents"(未来の大統領のための物理学)です。

日本では2冊になっていますが、こちらの2巻は”宇宙空間の利用”と”地球温暖化”という3つのテーマが語られます。

ちなみに1巻はこちら

宇宙空間の利用では、衛星の基礎知識(低軌道、中高度軌道、静止軌道)の違いやGPSとして使えること。

また、この著者の主張として、宇宙開発は有人でなく無人でやるべきとする意見が書かれています。たしかに有人よりも無人の方が、必要となるコストも下げられるし科学的発見を目的とするならば良い部分が多いと思います。日本でも有人か無人かといった議論がありますが、予算の都合で無人しかできないという面があると思います。また、ムラーはこの本のあなかでこれまでのシャトルのミッションの中で100回のうち2回しか事故が起こらなかったのはすごい功績と書いていますが、逆に言えばそれだけのリスクのあることであり、まだ有人の時期ではないのかもしれません。

地球温暖化としては、よく言われているアル・ゴアに代表されるような「過剰反応」とその対極にある「問題なし」という双方でない中道について述べていますが。どちらかといえば、アル・ゴアに代表されるような、トリックを暴くといった記載が多く見られます。

今後の技術としては著者は、ソーラー自動車(単位面積あたりのエネルギーが小さすぎる)やを使用したバイオエタノールトウモロコシ(肥料を考慮するとエネルギー効率が悪い)は普及しないであろうことを述べています。また、ハイブリッドや電気自動車はバッテリの生産コストなども含めたトータルコストで考慮しないといけないが、現時点では効率が悪い旨を記載しています。それよりも、全自動車の軽量化をすすめることがより効率的との提言がされています。この場合、生産コストも燃費も向上するのでかなり有効な手法と考えられます。ただし、他の自動車とぶつかった時に、重くて固い自動車の方がダメージが小さいのでみんなが軽い自動車にしないといけないというゲーム理論的ジレンマと、軽い=安全じゃないという市民団体の圧力が想像されます。

また、原子力発電としてはペブルベッド原子炉が有望としています。また、二酸化炭素回収・貯蔵技術についても述べています。これさえあれば、豊富にある石炭からエネルギーを得ることもできます。


私の環境問題については主に以下の本が主なネタ本でしたが、こちらの本は物理屋さんが書いただけあって、現状分析というよりも、未来の技術の記載が興味深かったです。

ブログはこちら

環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態
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posted by 山崎 真司 at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般
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