2010年12月31日

宇宙創成

サイモン・シン著
新潮文庫 上下とも629円(税別)
初版: 2009年2月(単行本は2006年,原著は2004年)


というわけで,2010年の第3位です.これも,何も書いてませんでした..^^;;






宇宙,そこは最後のフロンティア...この本は,人間が宇宙がどのようなもので,そしてどのようにして始まったのかを探求した歴史の物語です.

様々な神話やエラトステネスによる地球の大きさの計測から始まってケプラーやガリレオに渡っての宇宙観を説明していますが,実際にはアインシュタイン以降からが本編となります.


赤方偏移,ビッグバン,宇宙背景放射といったキーワードをめぐって,どのように宇宙がビッグバンよりはじまり,そしていつ始まったのかということを,理論物理学者(理論構築者)と天文学者(観察者)が解明していきます.

いわゆる科学の歴史らしく途中で世界への理解が転換する点がありますが,サイモン・シンはこの転換の理由を非常に分かりやすく説明しています.また,テーマが宇宙の研究なのでほとんど実験ができないため,様々な観察がベースになっていますが,この観察と理論が交互に重なりながら,現在の宇宙論へと理論が構築されていき,当初は異端と思われていたビッグバンが標準的な宇宙論となります.

このような宇宙論の歴史には類書もありますが,この本は人を軸にストーリーが描かれており物理や宇宙論に初めて接する人でも分かりやすく書かれています.また,物理学者にはアインシュタインだけでなく,ハッブル,ガモフ,ル・メートルなど個性的な人が多いのも面白い理由です.

以前,どこで読んだのか覚えていませんが,最近の科学は技術が理論を追い越してしまった,昔は理論ができてからそれを確認するのに時間がかかったが最近はすぐに確認できるようになった,ということがありました.計測機器の進歩やシミュレーションの発達(≒計算機能力の向上)がほとんどの科学に影響を与えていますが,その時代の少し前,さらにほとんど実験室で実験出来ない宇宙を対象にしているというのも,この本が魅力的なところだと思います.
posted by 山崎 真司 at 08:35| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般
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