クリエイツかもがわ 1800円(税別)
初版: 2009年10月
2010年のベスト10を書こうと思っています.
というわけで,第8位の発表です!!
おっと,これはすでに記事書いてました..
次は第7位です...といっても記事のタイトルになってますが..
この本は対人社会性,コミュニケーション,想像力などが”定型発達”と違う自閉症スペクトラムと診断された著者が,自分の日常の様々な経験を,漫画(絵日記みたいなもの?)と文章で解説しています.非常に読みやすい本ですが,”自分とは違う”考え方があること,そしてそれが”どのような違いなのか”を知ることが出来ます.
これまで小道さんのようなビジュアルシンカー(画像で考える人)の話は,ほとんど読んだことがなかったのですが”場の雰囲気”,”慣用句に弱いわけ”,”ちょっと待つ”のが苦手など,抽象化能力が低いためか柔軟でないが,その分優れた部分もありますが,”定型発達”の人とは感覚が違う分だけ,苦労することもあります.
例えば”慣用句に弱いわけ”では,例えば「寝耳に水」という言葉を聞くと,ヴィジュアルシンカー(というか著者の小道さん)はそのまま寝ている人の耳に水をかけるイメージとして捉えます.つまり,定型発達の人が「言葉」→「概念」というように捉えるのに対して,ビジュアルシンカーは「言葉」→「イメージ」というように捉えてしまう訳です.
また,概念という抽象化能力が甘いために,「ちょっと待って」と言われた時に,どのくらい「ちょっと」なのか,「待って」いる間に他のことをしながら待っていいのか純粋に”待っていることに集中”していないといけないのか,というのがなかなか想像できません.
このように,”定型発達”の人と自閉症スペクトラムの人とで感覚が違うということを認識することで,より相手に合わせたコミュニケーションを取ることができると思います.逆に,自分たちが普段行なっている”自動的な”行動がどういうものであるかを考えることが出来る一冊です.