岩波書店 560円(税別)
初版: 1960年6月(原著は1785年)
カントの道徳についての入門書です。いわゆる三批判の一つ「実践理性批判」の入門書でもあるのですが、この本自身も道徳についての強力な解説書になっています。
カントは道徳の原理を経験的なものでなく、理性的なものに求めます。これは経験はあくまでも主観的なものであるためで、普遍的な道徳は理性的(つまり経験を超越したもの)でなければならないためです。
中心となる概念のひとつは仮言的命法と定言的命法です。仮言的命法というのは「Aするためには、Bしなければならない」というようなものです。この命法では、道徳概念がBとした場合に、むしろAということを行うことを目的としてしまっています。これは道徳概念にそぐわない(目的がBでなく、Aになっているため)、そこで道徳概念には定言的命法として「Bしなければならない」といった形式をカントは提示します。
この定言的命法は、「その格律が(他者にとっても)普遍的になるような格律でなければならない」、また「他の理性的存在を手段でなく、目的自身とみなさなければならない」といったことを述べています。
また、このような定言的命法に従う理由としては「行為に道徳的価値を与える動機は、道徳法則への尊敬に他ならない」と述べています。
たしかにカント哲学は一文が長く読みづらいところもありますが、この道徳形而上学原論はその中ではかなり読みやすく、また、現代の倫理学の基礎を伺うことができる一冊だったと思います。
さすがの文章力ですね。
う〜ん、なるほど
感情と直観を傍らに置いて判断せねば
っての確かに大切ですね。
人間、よほど気をつけないと感情に囚われてしまいますものね。
ただ、弓剣道などが尊ぶ至誠と礼節なども
日本人としては捨てがたいところ。。。
などと言うとハウエルさんとかに無知だとバカにされますかね^^;
カントは絶対的な道徳についてのみ述べていますが(何故ならそれは経験を超越した客観的なものだから)、一方で日本人は礼節などの相対的な道徳については重視してるようにも見えます。
絶対的道徳はカント的には道徳への尊敬、キリスト教的には審判のゆえ、仏教的には輪廻を目的になされますが。
相対的な道徳はその所属社会を目的に行われるかと思います。
私見ですが。
ところでハウエルさんってだれ?(^_^;)
もちろん冗談で、ですが。。。
にしても、さすが言葉の定義が正確ですね^^;