石原藤夫・金子隆一著
早川NF文庫 640円(税別)
初版: 2009年7月(単行本は裳華房より1997年に出版)
軌道エレベータについての概説書でもあると共に技術書です。軌道エレベータの起源だけでなく、必要な材料、建造方法が述べられています。
もちろん、これらは現実的なものです。もちろん、今すぐに軌道エレベータが作れるわけではありませんが、それでも材料についても未知のものでなく、もうすぐ作れそうだったり、何千kmは作れずとも何cmは作れるものだったりします。また、作成方法は、(材料のため)小惑星を捕まえるといった必要はありますが、まったく不可能と言うわけではありません。
また、静止軌道を使った軌道エレベータだけでなく、非静止軌道を使用した軌道エレベータについても述べられています。
いかにも早川ノンフィクションらしい良書でした。ライトな技術書ですが、同時にストーリーがないガチンコのSFとも言えます。現実とSFをつなぐ橋といったところでしょうか?サブタイトルが”宇宙へ架ける橋”となっていますが、まさに橋といった本です。