2010年01月01日

戦略の不条理

菊澤研宗著
光文社新書 760円
初版: 2009年10月

 


この本は戦略全般についての本で、ポパーの3つの世界というフレームワークを使って、様々な戦略について述べています。

ポパーの世界というのはポパーが様々な本で述べている概念で、物理的世界である世界1、自己意識の世界である世界2、書物などの作品の世界である世界3、となります。世界1と世界3が、世界2をつなぐという構造になり、世界3が観念の世界(今風にいうとミームの世界?)となります。


戦略について、このフレームワークを通して、クラウゼヴィッツとリデルハートの戦略論、そして孫子的な戦略を述べています。


クラウゼヴィッツの絶対戦争は世界1にしか注力しておらず、世界2である感情を考慮していないために、問題があるとしています。この世界1と世界2のギャップが、実際に結果に反映していくとしています。

この感情を考慮しない(=奇襲を軽視している)クラウゼヴィッツの戦争観に対する批判は様々なところで繰り広げられているもので今更感もありますが、ポパーのフレームワークを使っているところが新鮮です。


企業戦略についての分析はおまけ程度で行われていますが、このフレームワークはどこにでも適用できるものです。

ちなみにポパーは世界1,2,3について各所で書いていて「開かれた社会 開かれた宇宙」や「よりよき世界を求めて」等で書いています。

「開かれた社会 開かれた宇宙」の書評
http://books.yamazaki-shinji.com/article/23907139.html

 

 

「よりよき世界を求めて」の書評は...なかった orz

 


リデルハートについては「間接的アプローチ戦略」がオススメです。書評は....書いてなかった orz

 

 
posted by 山崎 真司 at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦略論
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