2009年10月07日

機甲戦の理論と歴史

菅原和三著
芙蓉書房出版 1900円(税別)
初版: 2009年6月

 


タイトルの通りの機甲戦(戦車などを中心とした機械化部隊)についての戦史について述べられた本です。有名な(古代の)戦車戦であるカンネの戦いから始まって、モルトケからゼークトのドイツ(プロイセン)の陸戦史を軽く見てから、大戦でのドイツ、ソビエト、英仏米、日本の陸戦史についてそれぞれ触れて、それから現代の陸戦について述べています。


読んでいて一番強く思ったのは、第2次大戦時のソビエトの陸戦力の強さでしょうか。T34の火力と実際の戦果を見ると、これまで漠然と思っていたソビエト軍についての認識を新たにしました。


また、イスラエル軍の「オールタンク・ドクトリン」と「走る生命保険会社」と言われた(言われている?)戦車のメルカバでしょうか。イスラエルという国の事情(人が少ない)をカバーするために、乗員を守ることを第一の設計思想とした戦車というのは非常に興味深かったです。


機甲戦について概略をつかむにはいい本だと思いました。

 
 
他の方の書評を読んで:
 
http://ki-44.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-08d5.html

 なるほど、素晴らしい。『銀河英雄伝説』を読んで/観て「用兵」に興味を感じるような方なら、知的興奮をもって楽しく読めるはず。
 また軍は、規律を重んじる──(文字通り)自他の生死存亡がかかった任務の性質ゆえに命令遵守が基本的には絶対で、硬直化・保守化が起こりやすい組織である(らしい)。しかし時々刻々かつ時代と共に変化する状況──もちろん時間軸上の相違だけではない──に、小〜大の目標達成の為に柔軟に対応しなければならない。そのような組織の弊害に対処する、編組・運営などのエッセンスに興味を持つような方にも。(経営的な読み替えを促すような、直接的な記述は無いが)


ドクトリンや組織といった点については、この本ではあまり触れられていませんが。
それでも組織運営のヒントを読み取ることも可能かと思いました。

まぁ、日本の経営者やコンサルタントさんは戦争モノ好きな人が多いですしね..
 
posted by 山崎 真司 at 21:20| Comment(2) | TrackBack(0) | マーケティングの本
この記事へのコメント
あっ、これ面白そうっ

戦車には国民性がモロに出るらしいデス
例えば米産M1エウブラムスなんて、
同じ名前でまったく規格が異なるのを作ってたとか
(たしか7種類だったかな?)
さすがアメリカ(笑
Posted by りべっと at 2009年10月07日 22:49
M1エイブラムスですかー。
M1,M1A1,M1A2の他にいくつかのマイナーバージョンがあるってことですよねー。

最新のM1A2なんかだと、もう搭載してるソフトごとにバージョンがあっても不思議はないですもんねー。

ちなみにこの本、きっと深くはないですよー。ぼくは大戦前後のことをあまり知らないので、ちょうどよかったですが...
Posted by 山崎真司 at 2009年10月07日 22:58
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