フィリップ・コトラー、ジョン・キャスリオーネ著
東洋経済 1800円(税別)
初版: 2009年9月
マーケティングの大家として知られるフィリップ・コトラーと、(私は知らない)ジョン・キャスリオーネとの共著です。
歴史上何度も言われてきたことではありますが、ノーマルは終わりニューノーマルの時代になったという認識の下。ニューノーマルでどのように企業は行動すべきかについて述べています。
これまでのこの手の本との最大の違いとしては、この本はニューノーマルをポストサブプライムローン時代としています。このポストサブプライムローン時代に、マーケティングの大家コトラーが何を述べるかというのは非常に興味深かったです。
ただし、基本的には非常にシンプルな主張をしています。
いくつかのポイントとしては、
・世界不況が中程度か深刻か、そして金融市場が停滞したままか回復するか、の2軸の4つのシナリオの下に経営プランを立てること。
・様々なイベントに対して会社全体で対応しなければならない。実際に個々の担当者や役員が危機を認識していても、結局何もしないということが多い。
・危機を乗り越えるためには、反応性・強靭性・弾力性の3つが必要となる。
コトラーの本ということで期待して読んだのですが、少々物足りないというのが正直な感想です。”これまでにないほどの危機”というレトリックは既に飽きてしまったということでしょうか。