2009年06月21日

失敗の本質 日本軍の組織論的研究

戸部良一他著
中公文庫 762円(税別)
初版: 1991年8月(ダイアモンド社版は1984年5月)


日本軍が、なぜ失敗したのかを組織という観点から研究しています。


ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄の各戦いを題材に
失敗というのが何故起こるのかを分析していますが。

私の解釈としては
・曖昧な戦争目的(何が目的か明確ではない)
・組織の問題(大本営と現地軍、陸軍と海軍、司令官と参謀、というそれぞれの二重構造)

の2点がポイントだったのではないか、と思いました。


この本の中では他に、過剰適応やシングルループ学習、空気の重視(空気を重視して言わなかったとか)といったことが述べられていましたが、

過剰適応やシングルループ学習というのはキーワードとしては面白けど、実際には学習スピードの遅滞だけの問題ではないか、
空気の重視は、空気の重視をしていなくとも失敗することがある(ベトナムやイラクは空気を読んでたから起こったの?)、
と思います。


結局、後付けで理論を構築しているので、これらが正しいかは分かりませんが。


ただ、この本は”日本軍の研究”でなく、”日本軍の研究を通して、現代の組織に気付を得るもの”と捉えるならば、なかなかに面白い本でした。

posted by 山崎 真司 at 16:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 戦略論
この記事へのコメント
確かに“後付け理論”の側面は否めないですよね。
この本を読むと、「日本軍は戦略&戦術さえ間違わなければ、大勝できた!」
という感覚に落ちいりそうです(^_-)-☆

とはいえ、『日本軍の研究=現代組織(企業等々)』に当てはめると、学びの宝庫になりそうな本です。

また、“ざーさん節”をゆっくり聞かせて下さいな(^_-)-☆
Posted by 塩田智史(シオ爺) at 2009年06月21日 20:28
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