戸部良一他著
中公文庫 762円(税別)
初版: 1991年8月(ダイアモンド社版は1984年5月)
日本軍が、なぜ失敗したのかを組織という観点から研究しています。
ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄の各戦いを題材に
失敗というのが何故起こるのかを分析していますが。
私の解釈としては
・曖昧な戦争目的(何が目的か明確ではない)
・組織の問題(大本営と現地軍、陸軍と海軍、司令官と参謀、というそれぞれの二重構造)
この本の中では他に、過剰適応やシングルループ学習、空気の重視(空気を重視して言わなかったとか)といったことが述べられていましたが、
過剰適応やシングルループ学習というのはキーワードとしては面白けど、実際には学習スピードの遅滞だけの問題ではないか、
空気の重視は、空気の重視をしていなくとも失敗することがある(ベトナムやイラクは空気を読んでたから起こったの?)、
と思います。
結局、後付けで理論を構築しているので、これらが正しいかは分かりませんが。
ただ、この本は”日本軍の研究”でなく、”日本軍の研究を通して、現代の組織に気付を得るもの”と捉えるならば、なかなかに面白い本でした。
この本を読むと、「日本軍は戦略&戦術さえ間違わなければ、大勝できた!」
という感覚に落ちいりそうです(^_-)-☆
とはいえ、『日本軍の研究=現代組織(企業等々)』に当てはめると、学びの宝庫になりそうな本です。
また、“ざーさん節”をゆっくり聞かせて下さいな(^_-)-☆