鈴木秀子著
文春新書
初版: 2005年9月
基本的にはコーチングといったジャンルでしょうか。どこかで読んだようなことばかり載っていたという印象です。
要は聞くときに自分の心(内なる声)を沈黙することを述べている本といえます。「いや、こうでしょ」とか「たしかに〜〜ですよねーっ」ではなく、「どうしてそうなの?」でもない。
相手の言いたいことを一歩先を導くように聞いていく(ただし方向性はコントロールしない)といったことでしょうか。
「え?でも、導かないで、自分の意見も封じて聞いていくってなにそれ?」というそもそも論もあるかもしれません。つまり、何のために聴くのか、という問題です。
これは相手のためでなく、自分のため?仕事の上では、相手のためと自分のためは一致しているのですが、普段は相手のためというのは自分のためと思ってしまうのです...うーん。
ところで、読んだところで、改めて自分が気にしないといけないのは、言葉、感情、あいづちによるミラーリング(特に感情はできてない)と、90:10の法則です。
ミラーリングは名前の通り、返すことです(反すとは違うか...)。
90:10の法則という不快感の90%は以前の蓄積によりなっていて、10%がその言葉によるといった法則です。
どこかで読んだことばかりといっても、うまくまとまっているので、コーチングや”聴く力”的なものに興味がある人にはうまくまとまっているんではないか、と思いました。逆にいえばもう一歩踏み込んで欲しかったのですが、新書の位置付け的には正しいポジションでしょうか。