チャールズ・エリス著
日本経済出版社
初版: 2003年12月(原書は2002年の第4版、)
いろんな本でよく参照される(そして絶賛される)「敗者のゲーム」です。初版は1970年代に出版されたものです。本書では1960年代まで株式投資が「勝者のゲーム」という得点を競い合うゲーム(例えばプロのサッカーのようなゲーム)だったのが、「敗者のゲーム」という失点を防ぐゲーム(例えばプロのバスケットボールのようなゲーム)になってしまった、ということを述べています。
本書の主張のポイントとしては、プロが増えすぎたことで、得点の余地がなくなってしまい、結局手数料を考慮するとアクティブ運用よりもインデックス投資がベター、といったところでしょうか。何故インデックス投資かというと、個人が個別銘柄に手を出すと、銘柄間のリスクが多いということと、リスクにはリスクプレミアムが乗っているリスクと乗っていないリスクがあるということでしょう。
基本的にはインデックス投資のバイ&ホールド派ということで、かなり本流なことを勧めているのですが、そこがまさに古典ということでしょうか。
他人の感想を読んで:
http://www.fund-no-umi.com/blog/2005/01/post_1.html
果たして、投資家としての僕の目的ははっきりしているのか? 証券市場や投資そのものについて十分理解しているのか?
この本は個人投資家向けの本ということで、各自の投資戦略目標(受け入れ可能リスクと目標金額)を明確にしましょうといったことも勧めています。たしかに何かを行うならば、これらが明確になっていないと判断ができないので、これは自明かな、と思いましたが、著者はこれを特に強調をしていた印象はたしかにありました。
何故だろうと思っていたのですが...
全般に、書かれてあることはどれも重要なことで、投資をする上で知っておくべきことばかりです。投資の初心者や、自信過剰な人は読んでおくといいでしょうね。謙虚になれます。逆に、本書に書いてあるような基本を知らずに株をやるのは危険でしょう。
私も全く同意です。いろんな本でこれが何故参照されたのだろう、とは思ったのですが、やはり古典だからでしょうか(つまり教科書を作ったということ)。また、第4版ということで、アメリカのものですがデータも豊富で読んでいて分かりやすく書かれている(=納得性が高い)というところポイントでしょうか。