2008年06月28日

秘密の動物誌

ジョアン・フォンベルタ、ペレ・フォルミゲーラ著
ちくま学芸文庫 1500円(税別)
初版: 2007年11月(元は1991年)


事実は小説よりも奇なりと言いますが、それでは事実とはなんでしょうか?

いったい、この世はどこまでが真実なのでしょうか?


例えば、広く信じられているマスコミの報道についても完全な真実かというとそうではないです(ある視点での真実やある意見が、普遍的かのように報道される)。


この本は空想の動物の動物誌で、どこかにいそうな、でもおとぎ話的な動物の図鑑のような本です。これだけ聞くと、キルヒャーの世界図鑑的な本かな、と思いますが。実際にはもっと凝った本です。

この本は著者らが、アーマイゼンハウフェン博士の資料を発見したという設定で、架空の動物の写真(作り物の動物の写真、ふた昔前の特撮映画の怪物のよう)と、その説明を書いてます。


元々はボルヘスの「存在するとは写真にうつることである」という言葉を受けて作り始めたものらしいのですが、実際に読みながら、作り物を真実のように写すという点で、真実かどうかはともかく作者の意図の視点からのみ写した写真集だったり、ある一面のみを切り取ったものを味付けして報道するスポーツ新聞的なジャーナリズムのパロディーであり、批判といったものを感じます。


最初はキルヒャーの本的なものを期待していたのですが、こんな切り口だったとは...これも写真という一見真実を写す媒体ゆえでしょうか。

posted by 山崎 真司 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般
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