2008年06月17日

戦略論大系 リデルハート

戦略研究会編集 石津 朋之編著
芙蓉書房出版 3800円(税別
初版: 2002年8月

クラウゼヴィッツの”戦争論”を読むと、必ず”絶対戦争”(”無制限戦争”とも換言できる)という概念にぶつかることになります。これは、市民革命→ナポレオン戦争という歴史の流れとしては必然的に発生した概念と言えると思います。
一方、はたして戦争は必ず”絶対戦争”に向かうのか、それとも”絶対戦争”の反対概念である”制限戦争”に向かうのか、という疑問があります。


この一つの解としては、”戦争論”の後に出版されたジョミニが”戦争概論”に書いていますが、いささか理想論を掲げているだけという印象があります。

他の”制限戦争”論者として有名なのがこのリデルハートです。リデルハートはイギリス人で、主に第二次世界大戦前後の戦略論者です。彼は”間接アプローチ戦略”という概念を提示しています。この”間接アプローチ戦略”は明確な定義はありませんが、基本的には奇襲や相手の弱点を直接攻撃し殲滅でなく、相手に勝利するといったことです。例えば、航空機の発達により、全滅をさせなくとも敵の本部を討つ、また、相手を殲滅させなくとも戦車が敵陣の中央を分断することにより相手の士気を下げて敗走させる(いわゆる電撃作戦)といったことを含みます。


実際にこの本を読んだ衝撃としてはクラウゼヴィッツと比べると非常に弱いのですが、”制限戦争”の利を読み取る本としては、ジョミニの本よりはだいぶ説得力があるのではないか、と思いました。ただ、ジョミニにしろ、リデルハートにしろ”制限戦争”論者は論拠が強くなく、理想論的であるなぁ、というようには読めてしまいました。

 
他人の書評を読んで:
と思ったのですが、みつからず... orz
 
 
posted by 山崎 真司 at 22:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 戦略論
この記事へのコメント
いけたになお@月曜会です。

クラウセヴィッツの戦争論は、僕も読んでみたいなぁと思っていたりします。
リデルハートは名前だけ何となく聞いたことがある程度……。

近いうちに両者とも読んでみたいですw
Posted by なお at 2008年06月18日 00:11
ども、おひさしぶりです。

(リアルな戦争での)戦略論を語るのでなければリデルハートは読む必要は特に読まなくともいいかな、と思いますが。

戦争論は面白いかどうかは微妙なところですが、ある2点では読むべき本です。

1.戦争は社会に大きなインパクトを与える行為なので、そのことを考えられることはいいこと。そして戦争論は実際にかなり多くの人に思考のベースの本として読まれている。

2.戦争論はよく弁証的な展開の本と言われますが、論の展開が参考になる。この辺がドイツ(実際にはプロイセン)の本といったところでしょうか?

読んだら是非感想教えてください:-)
Posted by 山崎真司 at 2008年06月18日 00:44
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