赤坂真理著
講談社現代新書 720円(税別)
初版:2007年12月
内容:
サブタイトルは「男の受難・女の業」となっています。JJなどの女性誌から女性が「モテたい」心理を読み解いています。モテたい心理を、女性のファンタジーという視点と結婚という2つの側面から読んでいます。
感想:
新書サイズの本でこのタイトルなので、”現代の男女の生息”みたいな本かと思ってたのですが、内容は”結婚前の女性思考”といった本でしょうか。内容は女性向けで”いやいや、そうじゃないでしょ”という本だと思うのですが..微妙に誰向けか不明だな、と思いながら読んでました。
ちなみに、この本で秀逸だと思ったのは7章”女という水物相場”で、逆にこの章以外はイマイチ。この章は女性の恋愛を恋愛→結婚→出産という演繹指向でなくて、(たとえば)出産から逆算するというような目的指向で考えましょう。そうしないと、仕事、恋人、子供といった全てを手に入れることは難しいですよ。でも全部を手に入れるのはそもそも難しいから、例えばお金のように自分でコントロールできるものを手に入れることをちゃんと考えましょう、といった主張でしょうか。
私は人生についてちゃんと深く考えたことありませんよ...
他人の書評を読んで:
http://dorablue.blog51.fc2.com/blog-entry-1943.html
著者は、取材のために女性誌をたくさん読む過程で、必ず周期的に鬱になってしまったそうだ。なんとなくわかる気がした。今の世の中に息苦しさを感じている女性にオススメ。
女性でないので推測ですが、実はこの本が女性誌の分析から現代を読み解いている形態を取っていながら完全に普遍的なことを述べている本だと思いながら読んでました。実際にはどうなんでしょうか?この本を読んでも息苦しさを解消できるか、重い性を背負いながら生きるしかないと開き直るしかないと感じるかは微妙じゃないかなー、と思います。
http://bookmark.tea-nifty.com/books/2008/01/akasaka_mari.html
あっ、この方も他の方の書評をベースに考えたりする方なんですね...しかも、私よりかなり読みやすい。
「新書」というフォーマットにまどわされるのではなく、これは小説家赤坂真理の新しい「作品」だと思って読むべきですね。
http://totoro.ws/blog/archives/2007/12/-1921.html
たぶん、この本を読んで、最終巻の違和感をみんなが感じるのではないでしょうか。僕は今でも、この章は蛇足だと思っているのですが...
トラックバックありがとうございました。
そうですね〜、閉塞感を感じていない人にその感じを伝えるのは小説が担っていると思います。
筆力不足でちゃんと伝えることができなかった面もありますが、こう感じました:
本書は、その閉塞感がどこからくるのかという点について、女性誌(メディア)が伝える「モテなければ生きている意味がない」というメッセージを取り上げたのだ、と。
それはさておき、書評からはところどころにアエラっぽさを感じますね。
ほんのしおり様の書評は勉強になることしきりでした。レベルの差を感じてしまいました。それはともかく赤坂さんの小説を読んでみようと思いました。
福田さん:
いつもお世話になっております:-)
一人称...たしかにブレてますね。アエラっぽさってのがよく分かりません...たしかに、高校→大学くらいはアエラを愛読してました...その時に刷り込まれたでしょうか!?
今は、一般誌(?)といえば、強いて言えば日経ビジネスを流し読む位になっちゃいましたケド..(あと、天文ガイドとか、ハーバードビジネスレビューとか、Megamiマガジン(爆)とか...)。