2008年01月25日

論議

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著
国書刊行会 2800円(税別)
初版: 2000年10月

内容:
1932年に発刊されたボルヘスの”論議”です。エッセー集といえばいいでしょうか。基本的にはパラドックスに関するエッセーや、アルゼンチンを中心とした文学や詩についてのエッセーです。


感想:
1月の課題図書ということで、先日読んだパラドックス大全を読んでボルヘスを読もうということで、えいやっと読みました。背景知識としてのアルゼンチン文学やアルゼンチンの歴史などが分からなかったのですが。それ以上に、ボルヘスのロジックの中にある罠っぽさが堪えます。しかし、そこが楽しいわけなんですが。

読んだ感想としては、不在の議論といった感じでしょうか。


P.148の地獄についてのテルトゥリアヌスの地獄についての弁

諸君、まことにもって愉快な光景だから、最後の審判を待ちたまえ。それにしても数多くの傲慢な王やいかさまの神々が暗闇のなかの、この上なくみすぼらしい牢獄において苦痛にあえぐのを見るのは、私にとって驚嘆であると同時に、なんと言う哄笑(こうしょう)と拍手喝采と歓喜を誘うものであろうか。


P.234より
アラビア的な書物、とりわけ「コーラン」には駱駝は出てこないというのである。〜〜彼にとってはそれは現実の一部だったので、それを際立たせなければならない理由などなかったのだ。

P.239より
ユダヤ人が西欧文化において卓越しているのは、彼らがその文化の中で活動しながらも、特別な愛着によってそれに束縛されるようなことがないからである。


本としては、著者がどこまで本気なのか良く分からず、また論理的な罠(?)読み取らないといけないので、読書中にアティチュードを保つのが難しいという感じです。読書のための読書の楽しみといった本でしょうか。


他人の書評を読んで:
http://www.bk1.jp/review/0000012523?volno=0000
「そのボルヘスの作品は、ジャンルを問わずどれも長くはないが、その長くないひとまとまりの文章が、ときにはフィクションなのかエッセイなのか読み手の側からは判断できないような場合もある。ボルヘスを「ボルヘス」にしているのは、だから、そうしたジャンルの区別を超越したところにあらわれてくる雰囲気や味わい、といってあやまりならば、文体ないしスタイルとでも、あるいは、好みないし趣味とでも表現できる、ある特定の志向とそれが導く思考のかたちなのだといってよい。」

これがこの本を読んだ率直の感想といってもいいです。この方の感想を読んだ時、ほとんど私と同じ印象かな、と思いました。


http://www.amigo.ne.jp/~abraxas/books2.html#rongi
「しかし、どの話題の中にも純粋に思考することの喜びが溢れている。」

私はボルヘスの作った(であろう)罠や論理(ストーリー?)を解釈するのにいっぱいいっぱいで、作者側の想いにまでは全くいたりませんでした。


http://strings-of-life.seesaa.net/article/40833986.html
書評を読んでというか、ボルヘスの解説ですね...


 

posted by 山崎 真司 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般
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