2013年02月24日
エティカ
有名だということは知っていたのですが、それ以外はあんまり知らなかったスピノザのエチカをようやく読んでみました。このエチカは、幾何学的方法で書かれたということで、定義と公理から定理を証明していくというような形式なのですが、ウィトゲンシュタインのような明晰さとは少し違う気がします。読んでいると、「いやいや、前提がアレだし...」と思ってしまうのですが、比較されるべきデカルトと比べると、かなりしっかりしているでしょうか。
スピノザの主張のポイントは、デカルトやスコラ哲学と違い神が超越的な存在でなく内在的な存在であるという考え方でしょう。通常の考え方では、神は(今風に言えば宇宙誕生のはじまりのきっかけという)世界の第一原因として、また世界の存在し続ける原因として、世界の外部者という位置付けになります。一方で、スピノザにおいては神は無限の存在ではありますが、世界の外部にあるものではないということになります。
これは、私たち日本人の感覚に近い汎神論(万物に神が宿る)といったものに近いでしょう。といっても、実際の記述を読むと安易に、「日本人のような八百万の神」とイメージするのは迂闊で、西洋的な神とは質的には違う哲学の神(無限や世界の定義上必要な理念上の神)といったイメージでしょうか。
ところで、このエチカを課題本にした読書会が昨日あったのですが、話を聞くと名古屋では何故か中公版がほとんど手に入らなかったそうです。大きな書店でもジュンク堂になんとかあったそうですが、それ以外では全滅だったらしいです(←今は、流通が賢いので状況が違うかもしませんが) なに?もしかしてスピノザブームktkr?
ちなみにこの解説本はいっぱい売ってたそうです。原典よりも解説書の方がメジャーなのね^^;;
2013年02月23日
機械との競争
基本的にはよく言われていることがまとまっているという印象です。カーツワイルの未来予測系の本+ワークシフト+かつての超大国アメリカを読んだ後では、想定範囲から出る内容はほとんどない気がします...といっても、タイトル通りの”機械との競争”という論点でまとまっているという点では貴重なのかもしれません。
ちなみに訳者じゃない人の解説が入っていますが、いきなり全否定すぎてウケました。僕はそっち派じゃなくカーツワイル派なので、「ムーアの法則は経験則にすぎない」とかいってこの本を否定するのはいささか無邪気な気がしますが。
あわせて是非読みたい(w (←あわせなくても!)
2013年02月12日
現象学とは何か
タイトルが超ミスリーデイングです。このタイトルから受ける印象は入門書ですが、フッサールの本をひと通り読んでから読むべき本です。よってあんまりわかりませんでした^^;;
あと、著者の文体が昔のドイツの本の訳書みたいなので、非常に読みにくいです。いちいち、ドイツ語で言い換えたり、複雑な構造の一文が4,5行続いたり。現代文の問題みたい..
「ともかくイデーンI,IIを読め、話はそれからだ」
と言われていることは分かりました><)
※リンクを貼ろうと思いましたが、あまりに高くて貼りません^^;;
素直にはじめは「こちらを読むべき」ということみたいです。
2013年02月10日
50音でタイトル挙げてみよう
”あ〜わ”までのそれぞれの文字で始まるタイトルの本のうちお気に入りを挙げよう、ということを知人がやってました。面白いのでやってみました...
しかし、難しい^^;;結局、”ぬ”と”む”は最後まで思いつかななかったのでそのままリリース^^;;
へ、む、ら、お、つ、あたりはなかなか主付きませんでした。
基本的には、自分が好きな本(ただし一著者一冊)で、どんどん当てはめていきました。雑誌(DHBR)が入ってますが、外せないので入れてあります。また、ムアコック、エディングスの小説はシリーズものの一冊目ですが、これも大事なので入れてます。
逆に「ランクマーのニ剣士」は小説は好きですが、シリーズものの途中のものを入れてます!(らが思いつかなかったので)
ちなみに、そ、ふ、て、あたりはいっぱいありましたが、思い入れが強いものをそれぞれ載せておきました。
あ ルーシー・モード・モンゴメリ「赤毛のアン」
い 井筒俊彦「意識と本質」
う リチャード・ワイズマン「運のいい人、悪い人」
え マイケル・ムアコック「エルリック・サーガ」
お 森敏昭編著「おもしろ記憶のラボラトリー」
か ビョルン・ロンボルグ「環境危機をあおってはいけない」
き ジェフリー・ムーア「キャズム」
く リチャード・ストールマン「GNU Emacsマニュアル」
け ゲイリー・ガイギャックス「ゲームマスターの達人」
こ やくみつる「こんにちはマイコン」
さ 渡辺精一「三国志人物事典」
し チャールズ・ダーウィン「種の起源」
す 楠健「ストーリーとしての競争戦略」
せ 円城塔「Self-Reference ENGINE」
そ プラトン「ソクラテスの弁明」
た ダイアモンド社「ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー」
ち アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン「知の欺瞞」
つ レスター・エンブリー「使える現象学」
て ルイス・ボルヘス「伝奇集」
と エマニエル・カント「道徳形而上学原論」。。、かzsz
な パコ・アンダーヒル「なぜこの店で買ってしまうのか」
に 火浦功「日曜日には宇宙人とお茶を」
ぬ
ね ロバート・ケーガン「ネオコンの論理」
の フランシス・ベーコン「ノブム・オルガヌム」
は ファミコン通信編集部「バーチャファイター2マニアックス」
ひ コナン・ドイル「緋色の研究」
ふ マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
へ 山田詠美「ベッドタイム・アイズ」
ほ JRR・トールキン「ホビットの冒険」
ま ナシーム・ニコラス・タレブ「まぐれ」
み イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」
む
め マイケル・ムアコック「メルニボネの皇子」
も ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅する紙の書物について」
や スティーブン・レビット他「ヤバい経済学」
ゆ サミュエル・レフラー他「UNIX 4.3BSDの設計と実装」
よ デヴィッド・エディングス「予言の守護者」
ら フリッツ・ライバー「ランクマーの二剣士」
り リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」
る グレッグ・スタフォード「ルーン・クエスト」
れ マーク・ブキャナン「歴史はべき乗則で動く」
ろ ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」
わ ルイザ・メイ・オルコット「若草物語」
しかし、難しい^^;;結局、”ぬ”と”む”は最後まで思いつかななかったのでそのままリリース^^;;
へ、む、ら、お、つ、あたりはなかなか主付きませんでした。
基本的には、自分が好きな本(ただし一著者一冊)で、どんどん当てはめていきました。雑誌(DHBR)が入ってますが、外せないので入れてあります。また、ムアコック、エディングスの小説はシリーズものの一冊目ですが、これも大事なので入れてます。
逆に「ランクマーのニ剣士」は小説は好きですが、シリーズものの途中のものを入れてます!(らが思いつかなかったので)
ちなみに、そ、ふ、て、あたりはいっぱいありましたが、思い入れが強いものをそれぞれ載せておきました。
あ ルーシー・モード・モンゴメリ「赤毛のアン」
い 井筒俊彦「意識と本質」
う リチャード・ワイズマン「運のいい人、悪い人」
え マイケル・ムアコック「エルリック・サーガ」
お 森敏昭編著「おもしろ記憶のラボラトリー」
か ビョルン・ロンボルグ「環境危機をあおってはいけない」
き ジェフリー・ムーア「キャズム」
く リチャード・ストールマン「GNU Emacsマニュアル」
け ゲイリー・ガイギャックス「ゲームマスターの達人」
こ やくみつる「こんにちはマイコン」
さ 渡辺精一「三国志人物事典」
し チャールズ・ダーウィン「種の起源」
す 楠健「ストーリーとしての競争戦略」
せ 円城塔「Self-Reference ENGINE」
そ プラトン「ソクラテスの弁明」
た ダイアモンド社「ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー」
ち アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン「知の欺瞞」
つ レスター・エンブリー「使える現象学」
て ルイス・ボルヘス「伝奇集」
と エマニエル・カント「道徳形而上学原論」。。、かzsz
な パコ・アンダーヒル「なぜこの店で買ってしまうのか」
に 火浦功「日曜日には宇宙人とお茶を」
ぬ
ね ロバート・ケーガン「ネオコンの論理」
の フランシス・ベーコン「ノブム・オルガヌム」
は ファミコン通信編集部「バーチャファイター2マニアックス」
ひ コナン・ドイル「緋色の研究」
ふ マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
へ 山田詠美「ベッドタイム・アイズ」
ほ JRR・トールキン「ホビットの冒険」
ま ナシーム・ニコラス・タレブ「まぐれ」
み イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」
む
め マイケル・ムアコック「メルニボネの皇子」
も ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅する紙の書物について」
や スティーブン・レビット他「ヤバい経済学」
ゆ サミュエル・レフラー他「UNIX 4.3BSDの設計と実装」
よ デヴィッド・エディングス「予言の守護者」
ら フリッツ・ライバー「ランクマーの二剣士」
り リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」
る グレッグ・スタフォード「ルーン・クエスト」
れ マーク・ブキャナン「歴史はべき乗則で動く」
ろ ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」
わ ルイザ・メイ・オルコット「若草物語」
2013年02月05日
ラーメンと愛国
ラーメンを話の縦軸に、戦後の復興、田中角栄、バブル崩壊後の状況と日本の文化を切り取った本です。
愛国という言葉がありますが、ちょっとしたスパイスでしょうか。支那そばと言われていたものが、ラーメンに変わり。中国をイメージさせるなるとや赤に白のドンブリや赤白のノレンは、日本っぽい(気がする)作務衣や和風の俺言葉(あいだみつをみたいなもの。ラーメンポエム)に変わっていきます。
ラーメンの本というよりも、ラーメンから切り取った戦後史(の一つ)といった社会学っぽい本でした。著者の力量か、一気に読まされる良著でした。