これまで書評だけを書いていたのですが、これからは考えのメモなどもここに書いていこうと思います。よろしくお願いします。
アイデアや想像性というテーマはいろいろな視点があります。
その1.
スウェーデン式アイデア・ブックという本を読んでいたら、アイデアとして出てきた最初の3つくらいは誰もが最初に思いつくということが描いてありました。たしかに、新しいものを考えるというテーマで、何かを発想しようとすると最初の3つや5つくらいはありがちなものになります。一方で、自分のアイデアに人間は固執しがちなので最初に出したものに引っ張られないように注意。
その2.
プロジェクト・ランウェイ見てたら、テーマを選ぶというものがありました。西部劇というテーマが最後に残ってました。「みんな西部劇はいやー」といっていたので残りました。そして、実際に西部劇を選んだ(というかクジで選ぶ順番が最後になった)二人は、相当考え込んでいました。しかし、実際に見ると十分なクリエイティビティのある服でした。やはり、自分がイメージしていなかったテーマなので、考えこむし難しいが、クリエイティブにならざるを得ないテーマだったようです。
その3.
「素敵な服を作ってください」
「ライトを使って何か発明をしてください」
といったことを言われてもなかなかいいアイデアは思いつきません。
ところが、
「どこかカッコ悪いところのある素敵な服を作ってください」
「ライトを使って、少し使い勝手の悪いものを発明してください」
といった形で指示をするとよりクリエイティブになります(アンビバレントが創造性を生むという論文もある)
クリエイティブになるには制約条件が必要ということはよく言われますが、アンビバレントを使うというのは非常に大きなポイントだと思います。その1のようにたくさん出さないといけない場合は、自分で制約条件をつけて、相反する形の条件にして考えます。
2012年02月29日
2012年02月21日
ぼくたちが考えるに マスコラボレーションの時代
なかなか考えさせられる一冊でした。兄貴と話している時に、ソーシャルネットワークを考える一冊ってなんだろう?、という話になって、その流れで読みました。
山形浩生訳の本なので、例によっての役者解説があって、そこにはWeb2.0的なものをもうちょっと広くした本(つまり、”ウェブ進化論”の拡大版)といったことが書いてあるのですがその通りといった印象です(←ちなみに山形浩生とは思えないほど訳者解説があっさりしてた)
でも、ウェブの拡張じゃなくて、世界全体について語っているので、より広く考えさせられます。おかげで、いろいろとメモを綴ってしまいます。若干ですが、発展途上国のオープンイノベーション(や、オープンじゃないイノベーションの発展途上国への転用)といった話題もあり、こういったことの積み重ねが大事だな、と何やらどこにも向かない熱い思いにもとらわれましたが、きっとそれをビジネスにするのは難しそうです。実はフェアトレードとかなんとかいって、結局”罪悪感マーケティング”に頼って商売してる人たちよりも、オープンネスの方が遥かにインパクトを与えると感じさせられるのは、オープン文化に影響を受けているからでしょうか?
学生時代にストールマンの文章(Emacs本の最後か最初にあったGNU憲章?)読んで感動してたり。
2012年02月08日
サイクリック宇宙論
サイクリック宇宙論―ビッグバン・モデルを超える究極の理論
posted with amazlet at 12.02.08
ポール J.スタインハート ニール・トゥロック
早川書房
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インフレーションに代わる、理論であるサイクリック宇宙論を提案している本です。二人の著者はもともとインフレーションサイドの人だったのですが、途中からサイクリック宇宙論に転向(提案?)しました。
インフレーションは恣意的なもので、どうしてインフレーションが起こったのか(というかどうして宇宙が起こったのか)やインフラトンとよばれる力がなぜそのタイミングではじまって、終わったかの説明が恣意的であるのに対して、サイクリック宇宙論(現在の宇宙の開始は前の宇宙の終わり)はそれを解決します。私たちの宇宙は1兆年ごとにカチッとぶつかりあうアメリカンクラッカーのような次元(通常は折りたたまれたブレーンという膜)があって、それがカチっとなった時に発生する力で世界は急速に引き伸ばされたという理論です。
このサイクリック宇宙論の背景はひも理論の拡張であるM理論です。そしてダークエネルギーの説明にもなっています。1つのありうる宇宙の見方を提供してくれる本でしたそして、意外とよみやすいです。
ただし、このサイクリック宇宙論が正しいかどうかの検証ができるようになるのは相当後のことです。宇宙で巨大な加速器を作る時代なのかもしれません。
