2008年08月27日

サイドプレイヤーの本質

相馬直樹著(主に)
ベースボールマガジン社
初版: 2008年6月


「サッカークリニック」誌の相馬氏の人気(?)連載をまとめたものです。

普段のサッカー観戦ではなにげにスルーしてるサイドバックの動きですが、何がどうしてサイドバックが動くのかというのを一つづつ丁寧に解説しています。
正直、サイドバックというのは、(4バックの場合)サイドハーフとの連携といったことと、ディフェンスのバランス(ズレ)しか考慮してなかったのですが、一つづつの状況を読み解いて何を見てどう判断するかを書いてます。
特に3トップ(1トップ)のウイングの選手が、CBの裏にダイアゴナルに走った時の選択などはなるほど、といった感じです。というか、そもそもサッカーはしないで観戦専門なわけなんですが...


 

posted by 山崎 真司 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ関連

2008年08月14日

敗者のゲーム 新版

チャールズ・エリス著
日本経済出版社
初版: 2003年12月(原書は2002年の第4版、)


いろんな本でよく参照される(そして絶賛される)「敗者のゲーム」です。初版は1970年代に出版されたものです。本書では1960年代まで株式投資が「勝者のゲーム」という得点を競い合うゲーム(例えばプロのサッカーのようなゲーム)だったのが、「敗者のゲーム」という失点を防ぐゲーム(例えばプロのバスケットボールのようなゲーム)になってしまった、ということを述べています。


本書の主張のポイントとしては、プロが増えすぎたことで、得点の余地がなくなってしまい、結局手数料を考慮するとアクティブ運用よりもインデックス投資がベター、といったところでしょうか。何故インデックス投資かというと、個人が個別銘柄に手を出すと、銘柄間のリスクが多いということと、リスクにはリスクプレミアムが乗っているリスクと乗っていないリスクがあるということでしょう。

また、ポイントとしては、プロに株式について勧められたら、どういった銘柄がいいか、そして今後の市場の状態の予測を、それぞれの理由と共に聞いておく(そしてそれは記録しておく)といったことが書かれていましたが、これは株式投資のみでなく、他の分野にでも言えることですよね。
 


基本的にはインデックス投資のバイ&ホールド派ということで、かなり本流なことを勧めているのですが、そこがまさに古典ということでしょうか。

 


他人の感想を読んで:

 
http://www.fund-no-umi.com/blog/2005/01/post_1.html
 
果たして、投資家としての僕の目的ははっきりしているのか? 証券市場や投資そのものについて十分理解しているのか?
 
この本は個人投資家向けの本ということで、各自の投資戦略目標(受け入れ可能リスクと目標金額)を明確にしましょうといったことも勧めています。たしかに何かを行うならば、これらが明確になっていないと判断ができないので、これは自明かな、と思いましたが、著者はこれを特に強調をしていた印象はたしかにありました。
 
何故だろうと思っていたのですが...
 


http://amzn.jugem.jp/?eid=57

 
全般に、書かれてあることはどれも重要なことで、投資をする上で知っておくべきことばかりです。投資の初心者や、自信過剰な人は読んでおくといいでしょうね。謙虚になれます。逆に、本書に書いてあるような基本を知らずに株をやるのは危険でしょう。
 
私も全く同意です。いろんな本でこれが何故参照されたのだろう、とは思ったのですが、やはり古典だからでしょうか(つまり教科書を作ったということ)。また、第4版ということで、アメリカのものですがデータも豊富で読んでいて分かりやすく書かれている(=納得性が高い)というところポイントでしょうか。
 
 
posted by 山崎 真司 at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融、投資

2008年08月08日

ハーバード流 3D交渉術

デービッド・A・ラックス/ジェームズ・K・セベニウス著
阪急コミュニケーションズ
初版: 2007年10月(原書は2006年)


相手の心変わりを封じるために、取引に関するコミットメントを広めて深める。関係者を増やすことで、相手の担当者が引けない状態にする。
交渉の条件には、交渉が完了した後の関係も考慮する。

 
この本は、これまでの交渉を「戦術<1次元>」とするならば、3D交渉は「取引設計<2次元>」と「セットアップ<3次元>」が大事ということです。では、3Dというのはどのようなものなんでしょうか?
交渉においてブレイクスルーが得られるほどのものなんでしょうか?タイトルにハーバード流なんて書いてある段階であやしげなんですが...


そもそも交渉は、Win-Loseの関係でなく、Win-Winを目指すといったことや、そもそもを考える(ゼロベースで考える)といったことはありますが、それ以上のことがこの本には述べられているのでしょうか?


残念ながら、この本からはブレイクスルーがあるほどのことは載っていませんでしたが、交渉でしばしば現れるパターンについての認識にはいい本でした。この交渉のパターン(交渉でのデザインパターン)については別途ホームページに載せる予定です。


 

posted by 山崎 真司 at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション、交渉術

2008年08月04日

FBIアカデミーで教える心理交渉術

ハーブ・コーエン著
日本経済新聞出版社
初版: 2008年3月(元々は1981年10月の改定版で、原書は1980年)


交渉についてはデール・カーネギーの「人を動かす」が有名な本ですが、この本は交渉というよりも純粋にコミュニケーションの本と言えるでしょうか。

 
私はもともとがマルチプレイヤーゲーム好きだったので(ボードゲームとか)、交渉スタイルも典型的なウィン・ウィンを目指すスタイルで、あまり交渉戦術は得意ではなかったのですが、この本を読んでいろいろと気づかされました。実際に、これまで自分が使っていた戦術は基本的に2つ(というかこれは戦略か?)だったのですが。
 

私にとって新鮮ないくつかのポイントを挙げると、
・「もしも」をもっと使うこと
・相手が専門家の場合は、質問攻めにしてみる。あと、「ごめんなさい。本当に分からないのです」と言ってみる(理解してないことを言う)
・相手の時間を使う。相手の時間を使うことで合理的でない人は、自分の使った時間(サンクコスト)を取り返そうとして、交渉で譲歩する
・時間について、期限を使うことしかイメージしていなかったが、相手のリソースをいかに消費するかを考慮する
・数字上のものでは、リアルにイメージできないので、対象をリアルに表現すること

 
本当は、ウィン・ウィンを目指すことや前提を疑うといったことがメインなのですが、その辺りは一般的なことだし、私にとっては特に読むところがなかったので、スルーです。
 
あ、ちなみにこの著者はウィン・ウィンという言葉を作った人とのことです。うーん、ちょっと素敵。
 
他の方の書評を読んで:
http://consultantblog.blog123.fc2.com/blog-entry-100.html
 
読みやすいのか読みにくいのか、一般性がある原則を述べているのか、そうでないのかが非常にわかりにくい本です。
まあ、タイトルに「FBI」と、「心理交渉術」とあるので、目を引きます。ベストセラーなんて、そんなものですね。
 
一般的な本、と私は読みました。タイトルが胡散臭すぎるのですが、さすがに古い本だけあって、それなりに一般的なことが述べられているのではないか、と思いました。著者のエピソードは若干、鼻につきますが、贅沢を言ってはいけませんよね。
 


http://ameblo.jp/zinseiha-rpg/entry-10090914511.html

 
『意見の対立者は、つねに支援者としての要素を秘めている。』
 
なるほど対立者といっても、交渉をしている以上、相互に依存する必要がある可能性がある。つまり、一見、激しい対立に見えても、相互依存性が背景にあるということでしょうか。戦術レベルでは、これに気づいた上で交渉することが大事でしょう。
 


http://d.hatena.ne.jp/babayuhei/20080721/1216594982

 
P144 沈黙戦術:沈黙は、涙、怒り、威圧と同じような効果が期待でき、かつはるかに実行しやすい
 
あまり、沈黙戦術というのは使わないのですが...これは相手との関係性が十分に確立されている時しか使えないですよね。私はキャラクター的に、相手との関係性が十分に確立されているとこの戦術は使えないのですが...逆に使うというのもアリなんでしょうか?
また、戦術というのは自分が使うだけでなく、相手の戦術を封じるためにも使えるので、頭においておく必要はありますね。
 
posted by 山崎 真司 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | コミュニケーション、交渉術