ハーブ・コーエン著
日本経済新聞出版社
初版: 2008年3月(元々は1981年10月の改定版で、原書は1980年)
交渉についてはデール・カーネギーの「人を動かす」が有名な本ですが、この本は交渉というよりも純粋にコミュニケーションの本と言えるでしょうか。
私はもともとがマルチプレイヤーゲーム好きだったので(ボードゲームとか)、交渉スタイルも典型的なウィン・ウィンを目指すスタイルで、あまり交渉戦術は得意ではなかったのですが、この本を読んでいろいろと気づかされました。実際に、これまで自分が使っていた戦術は基本的に2つ(というかこれは戦略か?)だったのですが。
私にとって新鮮ないくつかのポイントを挙げると、
・「もしも」をもっと使うこと
・相手が専門家の場合は、質問攻めにしてみる。あと、「ごめんなさい。本当に分からないのです」と言ってみる(理解してないことを言う)
・相手の時間を使う。相手の時間を使うことで合理的でない人は、自分の使った時間(サンクコスト)を取り返そうとして、交渉で譲歩する
・時間について、期限を使うことしかイメージしていなかったが、相手のリソースをいかに消費するかを考慮する
・数字上のものでは、リアルにイメージできないので、対象をリアルに表現すること
本当は、ウィン・ウィンを目指すことや前提を疑うといったことがメインなのですが、その辺りは一般的なことだし、私にとっては特に読むところがなかったので、スルーです。
あ、ちなみにこの著者はウィン・ウィンという言葉を作った人とのことです。うーん、ちょっと素敵。
他の方の書評を読んで:
http://consultantblog.blog123.fc2.com/blog-entry-100.html 読みやすいのか読みにくいのか、一般性がある原則を述べているのか、そうでないのかが非常にわかりにくい本です。まあ、タイトルに「FBI」と、「心理交渉術」とあるので、目を引きます。ベストセラーなんて、そんなものですね。 一般的な本、と私は読みました。タイトルが胡散臭すぎるのですが、さすがに古い本だけあって、それなりに一般的なことが述べられているのではないか、と思いました。著者のエピソードは若干、鼻につきますが、贅沢を言ってはいけませんよね。
http://ameblo.jp/zinseiha-rpg/entry-10090914511.html
『意見の対立者は、つねに支援者としての要素を秘めている。』 なるほど対立者といっても、交渉をしている以上、相互に依存する必要がある可能性がある。つまり、一見、激しい対立に見えても、相互依存性が背景にあるということでしょうか。戦術レベルでは、これに気づいた上で交渉することが大事でしょう。
http://d.hatena.ne.jp/babayuhei/20080721/1216594982
P144 沈黙戦術:沈黙は、涙、怒り、威圧と同じような効果が期待でき、かつはるかに実行しやすい あまり、沈黙戦術というのは使わないのですが...これは相手との関係性が十分に確立されている時しか使えないですよね。私はキャラクター的に、相手との関係性が十分に確立されているとこの戦術は使えないのですが...逆に使うというのもアリなんでしょうか?
また、戦術というのは自分が使うだけでなく、相手の戦術を封じるためにも使えるので、頭においておく必要はありますね。