2008年01月28日

MINDパフォーマンスHacks

Ron Hale-Evans著
オライリージャパン発行(オーム社発行) 2800円(税別)
初版: 2007年8月

内容:
同出版社の”MIND HACKS”の実践篇といった本で、サブタイトルが”脳と心のユーザーマニュアル”となってます。いわゆるTIPSと呼ばれるような小ネタが75個載ってます。章立てとしては
1章 記憶
2章 情報の処理
3章 想像力
4章 数学
5章 意思決定
6章 コミュニケーション
7章 明晰さ
8章 知性の健康
となっています。著者はMental Wikiを作っている人で、そのWikiのネタ等からこの本が出来たようです。著者はライター、思想家、ゲームデザイナーで、主にテクニカルライターで生計を立てているということです。

感想:
出版元のせいか、書店によってはコンピュータ書のところにありますが、心理学の本というか、ビジネス書というか、といった本です。ちなみに、この本ですが...”MIND HACKS”と間違えて買ってしまいました!(MIND HACKSを立ち読みして、買ったら違う本でした....うぐぅ)

読んで見た感想ですが...著者がコンピュータ関係に明るく、またボードゲームなどのデザイナーをしているということもあり、著者のフィーリングが似ているのか、著者の感覚が面白かったのですが、個々のTIPS(小ネタ)にはあんまり駄目だなー、というのも多々ありました。
非常に面白いと思ったのは

5章意志決定から
#49 ダイスを転がせ
マンネリになったら、サイコロやカードで決めましょう、ということです。読書の本決定などは実践してる人も多いと思います。仕事のやり方でも、こういうのアリですよね。いわゆるシミュレーティッドアニーリング(焼きなまし法)といったような、局所最適に落ち込まないためにするアルゴリズムでも行われると思います。

この本には、こういうゲーム的なものをいろんな思考に取り入れようというのと、試行の繰り返しで物事を上手くやろうといった背景があるように読めて、素敵な思想と思いました。

6章コミュニケーションから
#51 人工言語を学ぶ
思考は言語に縛られる(←かなり大雑把に言ってます)というサピア=ウォーフの仮説

を私は信じているのですが(ウォーフを昔読んで感動した記憶が..)、その点を踏まえて、エスペラント語やクリンゴン語(!!)を学んで、新しい思考方法を身につけよう、といったTIPSです。その発想が素敵です。


他人の書評を読んで:

http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/11/02/2027
 

「もちろん自分自身の最大パフォーマンスを上げておくのが一番大事なことなのだが、必要なときに自分自身のパフォーマンスを最大に発揮するために、こういう本をパラパラめくっておくことは、いつか役に立つかもしれない。」


微妙な書き方ですね...たしかにこれだっ、と膝を打つ本という感じではありません(計算方法やなどは小学生の時に覚えておきたかったですが)、ですが自分の思考パターンを疑うという点では奇妙なインパクトを与えられた本と思いました。ただし、著者の背景が私に似ているので、その点で親近感を感じているせいかもしれませんが。


http://blog.zikokeihatu.com/archives/001262.html


「個人的に印象深いのは「可分性をたしかめる」というHack。絶対昔は知ってたはずなのに、すっかり忘れてる数字もあった。悔しいなぁ。そして7の場合ははじめて知った。
ちなみにこんな感じのやつです。」

 

ですよね、この計算方法は気になりますよね...みんな悔しいと思ったりしたと思います。
 
 

posted by 山崎 真司 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般

2008年01月25日

論議

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著
国書刊行会 2800円(税別)
初版: 2000年10月

内容:
1932年に発刊されたボルヘスの”論議”です。エッセー集といえばいいでしょうか。基本的にはパラドックスに関するエッセーや、アルゼンチンを中心とした文学や詩についてのエッセーです。


感想:
1月の課題図書ということで、先日読んだパラドックス大全を読んでボルヘスを読もうということで、えいやっと読みました。背景知識としてのアルゼンチン文学やアルゼンチンの歴史などが分からなかったのですが。それ以上に、ボルヘスのロジックの中にある罠っぽさが堪えます。しかし、そこが楽しいわけなんですが。

読んだ感想としては、不在の議論といった感じでしょうか。


P.148の地獄についてのテルトゥリアヌスの地獄についての弁

諸君、まことにもって愉快な光景だから、最後の審判を待ちたまえ。それにしても数多くの傲慢な王やいかさまの神々が暗闇のなかの、この上なくみすぼらしい牢獄において苦痛にあえぐのを見るのは、私にとって驚嘆であると同時に、なんと言う哄笑(こうしょう)と拍手喝采と歓喜を誘うものであろうか。


P.234より
アラビア的な書物、とりわけ「コーラン」には駱駝は出てこないというのである。〜〜彼にとってはそれは現実の一部だったので、それを際立たせなければならない理由などなかったのだ。

P.239より
ユダヤ人が西欧文化において卓越しているのは、彼らがその文化の中で活動しながらも、特別な愛着によってそれに束縛されるようなことがないからである。


本としては、著者がどこまで本気なのか良く分からず、また論理的な罠(?)読み取らないといけないので、読書中にアティチュードを保つのが難しいという感じです。読書のための読書の楽しみといった本でしょうか。


他人の書評を読んで:
http://www.bk1.jp/review/0000012523?volno=0000
「そのボルヘスの作品は、ジャンルを問わずどれも長くはないが、その長くないひとまとまりの文章が、ときにはフィクションなのかエッセイなのか読み手の側からは判断できないような場合もある。ボルヘスを「ボルヘス」にしているのは、だから、そうしたジャンルの区別を超越したところにあらわれてくる雰囲気や味わい、といってあやまりならば、文体ないしスタイルとでも、あるいは、好みないし趣味とでも表現できる、ある特定の志向とそれが導く思考のかたちなのだといってよい。」

これがこの本を読んだ率直の感想といってもいいです。この方の感想を読んだ時、ほとんど私と同じ印象かな、と思いました。


http://www.amigo.ne.jp/~abraxas/books2.html#rongi
「しかし、どの話題の中にも純粋に思考することの喜びが溢れている。」

私はボルヘスの作った(であろう)罠や論理(ストーリー?)を解釈するのにいっぱいいっぱいで、作者側の想いにまでは全くいたりませんでした。


http://strings-of-life.seesaa.net/article/40833986.html
書評を読んでというか、ボルヘスの解説ですね...


 

posted by 山崎 真司 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2008年01月19日

汗出せ、知恵出せ、もっと働け!

丹羽 宇一朗著
文藝春秋 1238円(税別)
初版:2007年11月

内容:
伊藤忠商事の会長で、名古屋人で読書家として知られる丹羽宇一朗氏の講演集です。全11章からなりますが、11章というよりは、11回分の講演録です。


感想:
タイトルがキャッチーになっていますが、いわゆるタイトル通りの精神論でなく、丹羽氏らしく理論をベースに実際を説明しているといった話です。この本はスルーしていたのですが、丹羽氏のプロフィールに自分との関係を感じずにいられずに思わず読んでしまいました。

非常に読みやすい一冊です。読書家として知られる丹羽氏らしく知的な講演といった感じでしょうか。基本的には歴史や現在の社会の傾向をベースに、現在を分析して、行動について意見を述べています。率直な感想としては非常にドラッカーっぽさを感じる一冊でした。


内容としては、それぞれ対象が違う11回の講演会ということで別々の話をしていますが、それぞれの中でいくつか共通的な話題があります。

・日本の人口動態の話
これまで増えてきたものが、減っていく中で経済も縮小していく方向

・日本の資源の話
資源がない国であることを自覚すべき。

・財政赤字
財政赤字がどんどん増えている。これを減らす方向にしないと次世代に借金を残すことになります。

 
他人の書評を読んで:

http://blog.goo.ne.jp/eliesbook/e/74e37380fb61b3f4a7da6580f3b2923c
このメルマガは長らく愛読しております。非常に面白いです。

さて、この本への書評のうち思った部分ですが

>個人的には、3つの質問「君はアリになれるか」「君はトンボにな
>れるか」「君は人間になれるか」、そして国を治める三つの要素が
>心に響きました。

たしかにここは気になりました....が、忘れてました。現在は「アリ」の力を持ってる人間が少ない気がします(というか自分?)。コツコツと物事を進めていくのが苦手なので、アリの心を持ってコツコツと生きていきたいですね。


http://tseffort.livedoor.biz/archives/50467249.html

>そんな中で勝っていけるのは「人と技術」のみだと。
>そこにお金を投じていく必要があるのに、
>国は教師の給料をケチっている。それは望ましくない。

>ということ。
>おっしゃるとおりで、教育界に適切な競争原理が働き、
>相応の報酬を与えるようになれば国は良くなる気がします。

世界のことも大事ですが、日本のことを考えないといけないのは確かです。私の信念としては技術立国しかないと思ってます。しかし、サービス立国にしろ、観光立国にしろ資源は人しかいません。
よく言われていることですが、そのベースとしても社会的に大きく教育にコストをかけるという方向は大事ですね。
紙束を敷き詰めて作ると言われている高速道路を作るよりは、教育にお金をかけるようにして欲しいと切に願います。結局、これも世代間で、後ろの世代に借金を送ってるだけということですから。借金(高速道路のコスト)でなくて、ギフト(教育)を後ろの世代に送りたいですよね。


 

posted by 山崎 真司 at 10:16| Comment(0) | TrackBack(1) | その他、ビジネス書

2008年01月12日

ベルナール・アルノー、語る

聞き手 イヴ・メサロヴィッチ
日経BP社 1600円(税別)
初版: 2003年1月

内容:
ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、セリーヌ、ショーメ、ロエベ、と聞いて何を思い出しますか?ちなみに、これは名古屋のミッドランドの1Fに入っているブランド店のうちLVMH(モエヘネシー ルイ・ヴィトン)グループのものになります。この本は、そのLVMHの社長兼CEOのベルナール・アルノーの対談となります。

ベルナール・アルノーはわずか15年程度であの一大ブランド帝国を創り上げてしまった人ですが、あまり表には出てこず、貴重な一冊となっています。内容は全6章で

第1章 成功の秘訣
第2章 出会い
第3章 LVMHあるいはブランドビジネスの創設
第4章 私生活
第5章 インターネットへの挑戦
第6章 資本主義、ヨーロッパと政治

となっています。


感想:
野次馬的にベルナール・アルノーについて興味あって、読んでみました。もともとは対談ということで内容が薄いかな、と思ってスルーしていたのですが、せっかくだから読んでみました。
基本的にはメサロヴィッチの問いにアルノーが答えるという形式になっていますので、個々のトピックについては深く書かれているわけではないです。その分すぐに読み終わるともいえますが。

またアルノーについてもほとんど知らなかったのですが、どういう経歴か若干わかるようになりました。理工系大学出身で、実業家の家系で、建築系の会社をやってたのに突然ディオール(のあるグループ)を買収して、その後LVMHをはじめ各企業を買収して一大帝国を築き上げました。戦略について基本的にはプロフェッショナル・マネージャーのジェニーンと似たようなものを感じましたが、この本では戦略や企業経営にあまり突っ込んだ本ではありません。
アルノーといえばやはりハイ・ブランドを創った男ですので、そういった観点からいくつか気になった言葉を書いてみます。

トップモデルについて
トップモデルたちは美に関する役割を果たし続けています。忘れてならないのは、製品を売ることは、夢を見させることだということです。女性というものは、等身大の人間よりも崇高な理想像と自分を同一視するものなのです。

映画スターが香水の宣伝に出ることが減ったことについて
スターのキャラクターを貼り付けるだけでは失敗します。第一、その人は香水や宝飾などを宣伝する「サンドイッチウーマン」になるわけです。見かける機会が多いほど、魔法は効力を失い、スターは神秘性を失います。

うーむ、深いような...


他人の書評を読んで:
http://www.actiblog.com/ueyama/24906
フランスが見るアメリカはあまり読み取れませんでしたが、6章からはフランスの閉塞感と、フランスの左派的な部分や政治に対する苛立ちというのはたしかに読み取れました。
そのようなフランスの背景というのがこの本の”読み”として正しいかは分かりませんが...いや、6章の”読み”としては正しいのでしょうね。


http://blog.livedoor.jp/bestbooks/archives/50145473.html
なるほど希少価値の高い本ですか...たしかにアルノーについて客観的に書いてある本やアルノーの主観が書いてある本はほとんど見ません。


 

posted by 山崎 真司 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ブランド論

統計の誤用・活用

上田 尚一著
朝倉書店 3800円(税別)
初版: 2003年12月

内容:
タイトルの通り、統計の本で、”講座情報をよむ統計学5”とあるように、朝倉書店が出している”講座<情報をよむ統計学>”シリーズの第5冊目です。

シリーズの途中ということで、統計の基礎などは述べられていません。主に統計の誤用(意図的、意図的でないに関わらず)について述べてあります。また、実際に誤用をしないようにはどうすればいいのか、ということについても述べてあります


感想:
ジャンルとしては統計の専門書ということになるでしょうか?ただし、かなり敷居の低い本で基礎的な統計知識さえあれば読んでいけることになります。この本はその数学が戦略を決めるを読んだおかげ(せい?)で、購入して読みました。

内容ですが、基本的にはブルーバックスなどで載っていそうな、統計の誤用、統計結果から原因のミスリードや、どう分析することでそれを防げるかということが述べてあります。基礎的な統計知識が必要な本であり、また教科書的な部分もあることで数式はいっぱい出てきますが、それほど難しくないと感じました(理工系大学出身ならば楽勝と思った)。また述べられている内容の誤用については個々には分かっていることが多いのですが、眼前に出されるとなるほどと再考させられるものもが多かったです。


そして、内容を読んだ感想ですが、本当に統計の誤用というのが多いであろうということ。そもそもマーケティング的やマスコミ的に使う統計情報はテキトーなものが多いというのは認識していたのですが、(意図してかそうでないかともかくとして)いかに簡単にいろんな結論を導いてしまうものなのかという危うさを考えさせられました。

そもそも統計結果から何かの結論を述べるというのは、正しいステップを踏まなければこれらの書評と同じ程度の主観の問題にすぎない場合が多いのですが、多くの人は数字があるだけで科学的に捉えてしまいますから...もちろん、財務諸表や社内で使われる数字のように基本的な定義に合意している数字ならばいいのでしょうが。


他人の書評を読んで:
http://thistle.blogtribe.org/entry-2e6ccf1a79642c2e7af7416d067a39db.html
正直、私レベルではどこに統計の本として首をかしげる部分があるのか読み取れませんでしたが、再読する時にはこれを留意して、もっとしっかり読み込みたいです。なるほど...

 
 
posted by 山崎 真司 at 07:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2008年01月07日

下流社会 第2章

三浦 展著
光文社 720円(税別)
初版: 2007年9月

内容:
”新たにわかった全国男性1万人の本音!”と銘うってありますが、様々なアンケートから現在の下流社会っぷりや、下流っぽい階層の人たちがどのように考えているかを説いています。


感想:
20〜24、25〜29..のように5歳刻みで、20歳から44歳までの人たちにアンケートを行って、それぞれがどういう階層に属していると思っているか、とかどういう雑誌を読んでる人たちがどう考えているかといったことをアンケートの分析から述べています。

正直、アンケートを(たぶんそれなりに)大規模に行っていてそこはいいのですが、それ以外のところは特に読むべきところがないといった感じでした。
正直、導き出されていた結果が凡庸というか、想定内といったところなのですが、これはアンケート結果なので仕方ないですよね...
うーーん。


他人の書評を読んで:
http://d.hatena.ne.jp/shutter-street/20070923/1190526828
「下流社会の人の本です。相変わらず統計上の分析については、「その数値でそんなことを断言しちゃっていいの?」という疑問が残るが、まあ、センセーショナルな本ではある。」
とまぁ、このあたりの感想が全く一致なのです。なんていうか、煽って本を売ろうってこと(かつそこがほとんど?)なの、とうがった読みを私はしてしまいました。


http://kuunerucinema.sl.lcomi.ne.jp/archives/article/14109.html
「この本の中で大変興味をひかれたのは「下流の自分探しを仕組んだビジネス」というタイトルの第4章。」
”自分探し”ですよね...たしかに本にはそのように書かれていたのですが、その分析がどこまでのものなんだろう、とも思ったりしました。自分探しに全然興味がないので、このタイトルもスルーしてたんでしょうか...


http://marcelproust.seesaa.net/article/56849844.html
「それでも一番ためになったのは、「下流ほど歳をとっても自分を探し続ける」という断章だった。年輩の知識人、文化人に、若者の自分探しブームを批判する人はたくさんいる。「自分なんて探しても見つからない」と彼らは言うが、私はそうした言葉にやや反感を持っていた。しかし、自分探しの反対は、自分を探していない状態ではないのだ。自分を探している状態の反対語は、自分が確立している状態なのだと、アンケートの分布図を見て気づいた。」
なるほど。自分探しってそういうことだったんですか...私自身は「自分なんて探しても見つからない」と思ってる(というか、興味すらない)わけなんですが、自分探しの対立はそういうものだったんですか...なるほど。


 

posted by 山崎 真司 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般

ヘーゲル 生きてゆく力としての弁証法

栗原 隆著
NHK出版 1000円(税別)
初版: 2004年9月

内容:
ヘーゲル初心者向けの本で、ヘーゲル哲学の特徴と弁証法の説明を中心にしています。

・ヘーゲルにおける体系とは何か。
・弁証法とは?。
・循環とは?

といった項目を説明しています。


感想:
弁証法という言葉はよく聞いていたのですが、いったいどういうものか分からなかったので弁証法についてなるべく平易に説明されている本を探して買ってきました。

弁証法の説明だと、ヘーゲル哲学的視点というより、マルクス主義的な視点から書かれた本が多いのですがこの本は純粋にヘーゲルという視点から述べてます。


弁証法について簡単に述べると、

・より深い理解を行うために、あるテーマ(テーゼ)に対して、限定的否定(アンチテーゼ)を使用して、理解を深化させる
といったところでしょうか。
Aという知識に対して、非Aを考慮することなく、無反省的に(もしくは直感的に)得たAでなくて、
Aという知識に対して、非Aであることを検討して、その結果として、非Aを経由したAというより深いAへの洞察が得られる、
といったところでしょうか。


また、循環というのは、Aの成立を前提とした上でAが成立するような論理的展開です。「だって私は正しいんだから、私が正しい」のような理論でしょうか?もちろん、Aが成り立つことを前提として、Aを証明している段階で、論理的には循環は無意味です。

ですが、ここで重要なのは論理的一貫性でなく、この循環を使用することである問題に対してより深い洞察が得られる(ことがある)ということです。


つまり、弁証法にしろ、循環にしろ、悟性的に認識しているようなある問題や事象について、より深く検討するためのツールであるということが言えると思います。

と、ここまで書きながら、これはいったいこの本の感想としては正しいと思うのですが、ヘーゲル哲学の解釈として正しいかどうかはよく分かりません。他の著者の本も読んでいかないといけませんね。といっても、私は哲学読みでなくて、ビジネス書読みなので、道は険しそうです。


他人の書評を読んで:
http://dogu.no-ip.org/archives/catlist/000702.php
直球でかつキレイに書評として本をまとめていらっしゃって、自分が書いた文章が軽く恥ずかしくなりました。

 
「常識や一面的な見方に凝り固まって疑いも矛盾も抱かない状態よりも、自らの有限性に絶望する弁証法的な契機の多い状態のほうが良しとされる見方は、惑いや迷い、悩みや憂い、葛藤や自己矛盾や自己否定を常とする人間にとってとても救いに見えるだろう。」
悩んでいること自体がアリというのは思っていたのですが、このように捉えることで、タイトルの”生きてゆく力としての弁証法”を肯定するという視点は考えもつきませんでした...なるほど。
 
 
posted by 山崎 真司 at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学、人生論

2008年01月06日

今年の課題図書

今年は、昨年の反省を踏まえて、年のはじめに課題図書を決めることにしました。これらのうちから月1冊選んで読むこととします。

課題図書
VEフランクル 「夜と霧」
ジャック・デリダ 「声と現象」R
ウンベルト・エーコ 「完全言語の探求」R
ヴィトゲンシュタイン 「講義録」(←正式なタイトル忘れた)R
ゼノン他著「初期ストア派断片集1」
ホルヘ・ボルヘス 「論議」
マイケル・ポーター「競争の戦略」R
セオドア・レビット「マーケティング論」
ダニエル・ゴールマン「ビジネスEQ」

まだ12冊決めてません。...ちなみにRマークがついてるのは以前読んだ本の再読となります。といっても、読み終わってから5年以上は経ってます。あと、ビジネス書読みといいつつビジネス書が3冊しかない...


あと、これに加えて、戦略論強化月間、ブランド論強化月間、マーケティング論強化月間を作ろうと思ってます。さて、どこまで出来ますか....

とりあえず1月はボルヘスの本を読みます。
 
あと、今年はヘーゲルの関連書(ヘーゲル自身ではない)を2,3冊読んでおこうとも思い中です。
 
posted by 山崎 真司 at 23:04| Comment(3) | TrackBack(0) | その他、一般