イアン・エアーズ著
文藝春秋 1714円(税別)
初版: 2007年11月
内容:
統計経済学というのでしょうか?データと計算で意思決定を行う絶対計算の専門家の著者が、絶対計算のメリットを述べています。
ワインの価格は通常は樽を開けるまで分からなかったのですが、これを気温などで推測したり。映画のヒットを脚本に含まれる特定の要素から推測したりといった絶対計算の応用例を述べています。
感想:
本書のキーコンセプトですが、データ量の増加(HDDのデータ量がすごい勢いで増えている)とCPUパワーの飛躍的なアップにより、データから計算式を作れるようになった、ということでしょうか。
また、絶対計算の結果として、理由が明確なホワイトボックス的な関数(計算式)や、経験を基にした判断でなく、理由は分からないけどとりあえず上手く計算ができるブラックボックス的な関数で評価することになるので、そこに反発があるということが書かれています。
ともかく、この本の主張であるデータの増大とCPUパワーの増大が引き起こす方向性や数学知識の重要性の増大ということは大事だな、と本当に強く感じました。
他人の書評を読んで:
http://blog.goo.ne.jp/eliesbook/e/cb0f3adb9de9e9e9e4351cacf6f11ed0
「一言でいえば、仮説立案だ。人間に残された一番重要なことは、頭
や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきでないか
推測することだ」
そうは言っても、データがいっぱいあっても勝手にコンピュータが拾い上げて分析してくれるわけじゃないから、分析するという行為自体は必要だし。その分析のためのデータ収集(形を整える)ことは大事じゃないのかなぁ、と。
「人間は、予測の際に各種の要因にどれだけ重み付けすべきかを決め
るのがヘタだ」
http://onexone.sakura.ne.jp/archives/2007/12/17/
「最後の章で、「一般人も統計と数学の知識が必要になってくる」と書かれているが
これを読むと本当に勉強したくなってくる。
それくらいの説得力がある本だと思う。 」
http://kashino.exblog.jp/6512329
「この本は華々しいことばかり書きすぎで、都合の悪いことはほとんど書いていない。冒頭のワインの質を回帰分析したOrley Ashenfelterの話にしても、自分の大学の同僚だからなのか、いいことしか書いていないばかりか、「勘と経験」のRobert Parkerを揶揄さえしている。真実は、統計学者の間からも彼の統計的分析手法に批判がでていて、Orley Ashenfelterの式はたまたま1990年付近の予測があたっただけだというのが常識になっているのに。」
