2007年10月31日

短期間で組織が変わる行動科学マネジメント

石田 淳著
ダイアモンド社 1600円(税別)
初版: 2007年9月

内容:
行動分析というトピックを解説した本です。高いパフォーマンスを得るために行動を分析して、ポイントとなる行動を行うようにするための方法について記述しています。

基本的なコンセプトとしては、
・ポイントとなる行動を分析する
・行動に対して、適切なタイミングで適切なフィードバックを行う
ということを通じて、行動を変化させることで、より良い結果を得ましょう、といったものです。


感想:
この本も表紙買いです。この本も帯が長い本でした(表紙の7割くらいが帯)。また、タイトルや装丁から、もうちょっと軽い出版社の本かと思ったら、ダイアモンド社だったのですね。内容はかなり面白く、参考になりました。

基本的には
・結果でなくて、行動にフォーカスする。
・フィードバックループを短くする。

ということが述べてあり、これらはある意味当然のことですが、行動主義をベースにしているということもあり、随所にその理由や背景が述べられており、スッキリ感があります。
まあ、フィードバックの仕方や、フィードバックの種類についても分析していて、フィードバックについても分かりやすく書いてあります。また、この本の一番のウリについては本書でも述べられているように、他のマネジメント手法にアドオンできる(組織論のように現状に手をいれる必要がない)ところでしょうか。
仕事のみでなく、モチベーターや教える人にも役に立つ一冊です。イチオシ。
 
posted by 山崎 真司 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2007年10月27日

生きる歓び

保坂 和志著
新潮文庫 362円(税別)
初版: 文庫版 2002年9月

内容:
保坂和志の小説です。作家に拾われた瀕死の子猫が「生きる」というお話の、「生きる歓び」という表題作と、田中小実昌(こみまさ)氏の追悼作である、「小実昌さんのこと」の二作が載った短編集です。

感想:
保坂氏のことは全く知らなかったのですが、なんとなくここのページ http://bm.que.ne.jp/ に載っていて気になって買ってみました。

読み始めると、1行目からいきなり引き込まれました。ちなみに「生きる歓び」の1文目は、こうはじまります
「去年は一月二月三月に雪がドカドカたくさん降って、家の北側の屋根に積った雪が隣りの庭に落ちて、南天や紫陽花の枝を折ったり曲げたりして謝りつづけていたが、今年は雪が降らずに余計な気づかいをしないですんだが...以下略
という感じで、一文が1.5ページも続きます。もう、ここでいきなりグイグイきちゃいました。「生きる歓び」は墓参りの途中で死にそうになった子猫を拾ってくるという、ミニマリズム的な小説ですが、どうにも小説という感じがなく、非常に違和感を感じます。


そして、「小実昌さんのこと」は文字通りで、田中小実昌氏との思い出を綴ったものですが、どうにも小説という感じがしません。たしかに”小実昌さん”と保坂氏のつながりを1シーンごとに切り取った小説と読み取れなくもないのですが、やはり小説という感じがしません。

あとがきを読むとたしかに小説とも解釈できるのですが、このあとがきも含めて、非常に興味深い小説だな、と思いました
 そういえば、小説なんて読むのは、「マリア様がみてる」とSF小説を除くとめちゃくちゃ久々です。1年半ぶりくらい?
posted by 山崎 真司 at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

ビジネスマンのための「発見力」養成講座

小宮 一慶著
ディスカバー携書 1000円(税別)
初版: 2007年9月

内容:
経営コンサルタントの小宮氏が、物事の”みどころ”を捉えるために、「発見力」を鍛えるための本です。

1.見えているようで、何も見えていない
2.関心と仮説でものが見える
3.たとえば、こんなふうに見えてくる!
4.見える力を養う方法
5.ものが見える10の小さなヒント

の5章からなっています。


感想:
ディスカバー携書という初めて聞くシリーズの新書です。これが新書ブームというヤツでしょうか。実は、ディスカバー携書の実力把握のためもあって買ってみました。ほぼ表紙買いです。ちなみに、この本は帯が、表面の70%くらいあります。最近はこういう長帯の本が流行ってますねー。

ポイントとしては、
・深く見ないと見えないことがある。
・分解して見る。類型との差異を見る。
・仮説を持って、本質に迫ろうとすること。そこから発見する。

といったところでしょうか(上記は私の解釈)。
 
 
posted by 山崎 真司 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発

2007年10月24日

マイ・アメリカン・ジャーニー 統合参謀本部議長時代編

コリン・パウエル、ジョゼフ・パーシコ著
角川書店 743円(税別)
初版: 文庫版 2001年3月

内容:
湾岸戦争時に統合参謀本部議長であり、元国務長官であるコリン・パウエルの自伝です。パウエルがブッシュ政権で統合参謀本部議長、そしてクリントン政権になって引退するまで(その後、息子のブッシュ政権で国務長官に復帰しましたが)の自伝です。イラクのクウェート侵攻への対応がこの時代での最大の事件となります。他にも軍縮や、13項からなるパウエルのルールが記載されています。


感想:
元々は戦争時の意志決定というものに興味があって読み始めたのですが...自伝としても面白いです。また、アメリカンドリームの本としても読めます。3分冊ですが、やはりこの巻が一番楽しめ、また興味深かったです。

気になったところとしては、

・ブッシュ政権のイメージがかなり変わった
経済にも疎いのですが、政治なんて全く興味がない位の勢いです。ですから断片的な情報からのイメージしか持っていなかったのですが、これを読んで相当イメージが変わりました。やはり断片的やマスコミなどからの印象で判断しては危険ですね...もちろん、パウエルがブッシュ寄りであることはあるのですが、それでも長短それぞれについて分かってませんでした。やはり、断片情報だけで判断するのは危険ですね...

・戦争においては勝利条件や終戦条件を明確にすることが大事
クラウゼヴィッツとか読んだことはないのですが...勝利条件や終戦条件を明確にしておき、その到達可能性や期間を明確にしないといけないということでしょうか。そして、そのためのリソースとコストを明確に試算するということが大事でしょうか。もちろん、これは戦争以外でも全く同様です...

・パウエルのルール
13項ありますが...なんか、フランクリンの13徳思い出しますね。そんだけですが..

 
posted by 山崎 真司 at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会一般

2007年10月17日

気になった本

最近、この本が気になってました。買わなかったのですが...
買わなかったのですが、めっちゃ立ち読みずっとしてました。
 
Make: Vol.1
Make: Vol.2
Make: Vol.3
 
内容は「いろんなモノを自分で作っちゃいましょう」、という冒険野郎マクガイバー世代にドンピシャな内容です。きっと、マクガイバーも読んでるはず...
 
ちなみに、Amazonの出版社からの紹介には
 
『Make』の中心となるのは、安価な材料や中古のハードウェアを使って、あっと驚くような、しかも実用的なモノを作る方法を紹介する「プロジェクト」
 
 とかなってました。書いてる人たちも絶対マクガイバー世代だよ....
posted by 山崎 真司 at 07:10| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

光とは何か?


ニュートンプレス 1955円(税別)
初版: 2007年10月

内容:
ニュートン別冊のムックで、サブタイトルは”「光は電波」を実感”とあります。章立ては以下の6章で、各章は2ページづつのトピックからなっています。

・身近な光の現象
・色とは何か?
・光の正体
・光の世紀へ
・驚愕の最先端研究
・エピローグ

といった内容です。また、途中でQ&Aという形でコラム的に

・照明を消すとすぐ暗くなるのはなぜ?
・白い物体の表面をみがけば、鏡になるか?
といったものが


感想:
いやー、知りませんでした、ということが満載です。内容としては、いわゆるブルーバックス系とでもいうのでしょうか。科学的な「なぜなに?」というのがいろいろ書いてありますが、高校生程度の物理の知識があった方が読みやすいといったところでしょうか。

ブルーバックスと比べると値が張るのが残念ですが、図が分かりやすく、またキレイです(←これは印刷の問題?)。内容で気になったのは、逃げ水は何故起こるか、や偏向サングラスの効果といった説明が楽しかったです。また、フェムトレーザーというのは聞いたことがあったのですが、アトレーザーという話とか...アトってのはフェトより小さい桁で1000万分の1ということだそうです。アトなんて単位ははじめて聞きましたよ。


 

posted by 山崎 真司 at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、一般

2007年10月14日

パーソナルブランディング

ピーター・モントヤ、ティム・ヴァンディー著
東洋経済 1800円(税別)
初版: 2005年6月

内容:
”最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す”本とのことです。以下の5部構成となっており、自分ブランドを作るとどう有利かということを述べています。ターゲットとして、個人事業主や、数人の会社の社長といったあたりとなります。

1.パーソナルブランドとは何か
2.あなたのブランドは何か?
3.ブランディング戦略
4.パーソナルブランドのための最強ツール
5.自分のパーソナルブランドを12ヶ月で構築する


感想:
「ブランドに注力することで、こちらから売り込む手間を減らしましょう」、「ターゲットを絞りましょう」という内容の自己啓発書です。

「あれ?それって、当たり前では?」と思う方もいらっしゃるでしょうが...そう、これはマーケティングの本でなくて、自己啓発書ですから。
また、ブランディングについても各ブランド論で書いてあることを個人向けに直したといったところでしょうか。

要約すると、
・マーケティングやブランディングを自分自身に行いましょう、そうすればハッピー
・ターゲットを絞りましょう。「建築家」でなく「エコロジーに配慮した、木材住宅の専門家」といったように自分を定義する。
・名刺やホームページといったところでブランドを高めましょう

といったところでしょうか。
あれ?

・セグメント化してアピールポイントを明確化する
・マーケティングはセールスを不要にする
・ブランド化にコストをかけることは、長期的に見れば、費用に見合う

って、別にパーソナルブランディングでもなんでもないような...まぁ、こういったことの入門書にはいいかもしれません。
やっぱり、ブランド関係の本というより、自己啓発書なんですよね。
posted by 山崎 真司 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発

自殺について 他4篇

ショウペンハウエル著
岩波書店 400円(税別)
初版: 1952年10月

内容:
元々は1851年著の作品で、以下の5篇からなっています。

・我々の真実の本質は死によって破壊せられえないものであるという教説によせて
・現存在の虚無性に関する教説によせる補遺
・世界の苦悩に関する教説によせる補遺
・自殺について
・生きんとする意思の肯定と否定に関する教説によせる補遺


感想:
「道は開ける」を読んだ流れで、セネカの「人生の短さについて」と共に読み始めたのですが...難しかったです。知らない言葉がいっぱいあります。現存在とか、まったくイメージできてません。そして、カントについても全く不勉強でして...

書いてある内容は基本的には似たような主題となっているので、1篇で漠然として読んでいたものが、別の篇でもう少し具体化したイメージとなったりはするのですが..なかなか内容が掴めませんでした。あと読みながらセネカの本と、同時にV.E.フランクルの本を少し思い出しました。
気になった点としては
1.現在は両面を持っている、−客観的な面と主観的な面である。
2.我々は、幾万年幾億年を通じて未だかつてあったことがなかったというのに、まことに不思議なことには、いまや突如としてここにある。そしてまたつかのまの時を経れば、我々は再び同じように永劫になくなってしまうのである。
3.思うに、人生とは一種のデセンガニョ(スペイン語で幻滅の意)、即ち幻想の滅却である、というのが人生に関する最適切な解釈であろう。明らかに見られるように、一切はこの幻滅を目指しているのである。
1.は当たり前のことなのかもしれませんが、現在という時間を意識することは基本的にはないのですから(たまに、意識として時間が跳んだりした後に、主観的な時間の流れを思うことはありますが)。
2と3はセットで、新しい解釈でした。人生というのは、有から無に向かっていると思っていたのですが、大きく見ると無→有→無ということで、有を償却しているといったところでしょうか。このような人生観は想像もしてませんでした。


ちなみに、続いて「意志と表象としての世界」を読もうと思ったのですが....立ち読みしたら難しかったので、スルーです。むーーん X_X) 

 
posted by 山崎 真司 at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学、人生論

プロフェッショナル・マネージャー

ハロルド・ジェニーン、アルヴィン・モスコー著
プレジデント社 1333円(税別)
初版: 2004年5月(改装版)

内容:
「58四半期連続増益の男」元ITTの社長兼CEOハロルド・ジェニーンの経営論です。中小企業でも58四半期というのは尋常じゃないのですが、ITTは世界で10本の指に入る企業群(コングロマリット)でしたので、その結果は半端ではないでしょう。
内容ですが経営者がどうあるべきか、経営とはどういうことか、マネージャーの役割とは何かということを述べています。ミドル・マネージャー向きっぽいタイトルですが、実際には経営トップがどうあるべきか、といった本です。元々は1984年に出版された本です。


感想:
数回読んでたのですが、久々に読み直しです。以前は本に線を引いたり、書き込むという習慣がなかったので記憶(と読書ノート)が頼りだったのですが、今回からは直接書き込みです。

ちなみにこの本はマネージメントをすることに興味を持った人に超オススメの一冊となっております。もちろん、私は実践できていないことだらけなのですが...
気になったポイントを何点か挙げると


”人びとが意思決定を誤るのは、その決定が、入手した事実についての不適切な知識に基づいたものである場合が最も多い。”

事実の例とて文中に挙げられているものは以下の4点。ただし、これが全てとは書いていません。

”表面的な事実(一見事実とみえる事柄)”
”仮定的事実(事実と見なされていること)”
”報告された事実(事実として報告されたこと)”
”希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)”

たしかに、仕事の上で他者からもたらされた”報告された事実”や”希望的事実”といったものを、そのまま事実として誰かに伝えてしまうことがあります。これ自体はまだいいのですが(例えばお客さんに「**と言ってましたが、どうでしょうか?」なんていえない)、報告する際に頭にちょっとひかっかった事実を、詳細な分析するのが面倒でそのままスルーしてしまうといったことはしばしばやちゃっています。


”「経営者は経営しなくてはならぬ」とは、そうした結果を挙げなくてはならぬということだ。”

これは、どんなことをしても結果を挙げないといけないということです。つまり、「客の予算が来年度にずれたから」とか、「製品の欠陥が見つかったから」とか、でなく、結果をあげないといけないということです。「別の顧客にアプローチしておく」でも、「もっと顧客と会話しておいて予算がズレそうという事前にキャッチして、対策をしておく」でも、なんでもいいのですが。ともかく、「言われたことはやっていたから、私のせいではありません」的な態度では駄目、ということです......猛省中です。


”4という数字に彼がぶつかったと仮定しよう。その4を分析した結果、それは2+2あるいは3+1を表しているのではないことを発見するかもしれない。”(以下略)

会社の数字は足し算や掛け算の組み合わせで出来てますので、もっともっと踏み込んで考えるとそいったものが出てくるということです。当然、会社ではいろんな数字を見ているんですが、やっぱり数字の背後のものを仮定しながら読み解くといったことはほとんど出来ていません... T_T)
 
posted by 山崎 真司 at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2007年10月12日

広告でいちばん大切なこと

クロード・C・ホプキンス著
翔泳社 1800円(税別)
初版: 2006年11月1日

内容:
広告マーケティング21の法則を書いた、クロード・ホプキンスの本で、元々は1926か1927年の古い本となります。基本的には広告マーケティング21の法則と同じような内容ですが、前作が広告の方法についてのポイントを書いた本であるのに対してこちらはどちらかといえば自伝的な内容になります。

クロード・ホプキンスが子供時代から、一生懸命働いて、いかに成功したか、そしてそれぞれの広告について、どのように広告すべきかといったことを述べています。


感想:
前作よりも、自伝的性質が強くなっています。広告についてという点では前作を読むことをオススメします。気になった点としては、

1.ひとつの分野で成功しただけで、どんな分野でも成功でできる気分になる。
2.人間は問題を解決するためには何でもするが、予防のためにはほとんど何もしない。
3.広告における大きな過ちを二つ挙げるなら、それは自慢と利己心である。


1.については、私は無意識的にこう思ってしまいます。もっと謙虚にいろいろ受け止めないといけないのでしょうが、本当にコレが難しいです。うーん。

2.は自分が扱っている製品が予防的なモノが多い(セキュリティ関係とか)ので、売り方をもっと工夫しなければいけないのでしょう。どちらかというと商品の見せ方(パッケージング?)を真剣に考えてマーケティングしないといけないということでしょうか。
3.は反省します。...


 

posted by 山崎 真司 at 14:39| Comment(3) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書

2007年10月02日

マイ・アメリカン・ジャーニー ワシントン時代編

コリン・パウエル、ジョゼフ・パーシコ著
角川書店 619円(税別)
初版: 文庫版 2001年3月

内容:
湾岸戦争時に統合参謀本部議長であり、元国務長官であるコリン・パウエルの自伝です。文庫版では3分冊のうち、これは2冊目にあたり、1977年〜1989年までのカーター、レーガン政権での国防長官付副補佐官、軍事補佐官などを行っている間のとなります。ゴルバチョフとのINF交渉などが山場でしょうか?


感想:
ホワイトハウスという世界で最もミスが許されないであろう場所での意思決定についての実話がとても興味深いです。また、実際に冷戦構造→冷戦後の移行を当事者側から見た視点というのも新鮮です。そもそもペレストロイカとは何か、のような本や、その原因について書かれたような本は読んだことがあったのですが、アメリカ側からの視点で書かれた本というのは読んだことがありませんでした。

また、これを読んでいて思ったのは、アメリカのマネジメントの奥深さでしょうか。実際に大企業の社長が補佐官になったり、逆に補佐官が社長になったりという形で、汎用的なマネジメント能力というものがアメリカでは重視されているように感じました。こういうのは日本ではあんまりないように見えます...


 

posted by 山崎 真司 at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | その他、ビジネス書